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更新日:2022年10月24日

意見書 第126号

医師の地域偏在、診療科偏在等に対応するための医師確保対策の充実を求める意見書

 コロナ禍で繰り返している医療逼迫の背景にあるのが、医師不足であり、日本の臨床医は、OECD加盟国の単純平均より約13万人も少ないのが実態である。47都道府県すべてがOECD平均を下回っており、医師確保対策の充実が課題となっている。

 また、へき地等に一定期間勤務することを義務付けている医学部の地域枠の入学定員は、2021年度まで都道府県に一律に毎年原則10名を上限とされていたが、地域における医師不足、診療科偏在の問題は解消されていない。

 こうした状況にもかかわらず、「医療従事者の需給に関する検討会」において、医学部定員については、医師需給推計を踏まえ、2029年頃に全国の医師の需給が均衡し、地域枠のうち、恒久定員とは別に設定する臨時定員を含む総定員を減員し、地域枠設定の要件を厳格化する方向で検討が進められている。

 これではますます、へき地で勤務する医師を確保することができない。

 よって、国におかれては、地域における医師不足、診療科偏在の問題の解消に向け、下記項目に取り組むことを強く要望する。

1 医師の需給推計については、新興感染症等の感染拡大時にも必要な医療が提供できる体制を確保するため、地域で必要な供給量を再検証するとともに、都道府県が事前に検証できるようデータや計算過程等を明確に示し、十分な説明を行うこと。

2 新型コロナウィルス感染症拡大の影響等を受け、2022年度及び2023年度については暫定的に現行どおりとされたが、2024年度以降も、地域枠の設定が医師の地域偏在の改善に資する効果をより明確化し、また、改善が明確でない診療科偏在の是正策が確立するまでは、医学部臨時定員増とする現行制度を継続すること。

3 地域枠については、地域の実情に応じ、地域枠が設置できるよう、都道府県知事が必要とする数を別途要請することも可能な制度とすること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年10月24日

衆議院議長
参議院議長 
内閣総理大臣
内閣官房長官     様 
総務大臣 
財務大臣 
厚生労働大臣 

兵庫県議会議長 小西 隆紀

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