更新日:2024年11月20日

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約70年の歴史ある揖保川の畳堤 景観を保ちながら水害を防ぐ

たつの市を流れる揖保川には、川沿いに連なるコンクリートの枠に畳を差し込むことで増水時に堤防として機能させる畳堤があります。住民の自主防災意識から誕生した、全国でも3河川にしかない特殊な堤防です。(取材・文 本紙編集部)

西日本豪雨の際の畳堤。畳は横191cm、縦95cmの本間サイズで、現在は全て自治会等の倉庫で管理されています。

水害が続く揖保川に堤防を設置する話が持ち上がったのは、1947(昭和22)年。地域住民から「川の景観を大切にしたい」と要望が出たことにより、平時は橋の欄干のような畳堤が検討されました。当時は非常時に各戸から畳を持ち寄ることを前提に、57年までに揖保川沿岸の正條地区など3地区に設置されました。正條自治会では、14年前から毎年6月に設置訓練を行っており、2018(平成30)年の西日本豪雨では住民が協力し合って、253.4mにわたり99枚の畳を挟み込みました。「災害時には住民同士で助け合い、命を守ることが重要。畳堤がある限り訓練を続けます」と会長の桃川典久さんは話します。

 

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