特殊詐欺被害は人ごとではありません
特殊詐欺の被害が増加しています!手口は巧妙で多様化しており、被害総額は年々増加、若年層にも被害が広がっています。県警察本部では、スマートフォンアプリ「ひょうご防犯ネット+(プラス)」で特殊詐欺の発生状況や手口などリアルタイムの情報を配信しています。まずは知ることが大切です。(県警察)
特殊詐欺手口の一部を紹介!
オレオレ詐欺
こんな連絡が来たら要注意!
○△警察です。
あなたの口座が犯罪に使われています。
解説
都道府県警察の警察官をかたって電話をかけてきます。その際、電話番号の末尾を「0110」に偽装し、警察署からと信用させます。
架空料金請求詐欺【サポート詐欺】
こんな表示が出たら要注意!
ウイルスに感染しました。
このパソコンへのアクセスはセキュリティー上の理由でブロックされています。
解説
パソコンでインターネットを閲覧中、突然警告音が鳴り、偽の警告画面が表れます。表示の連絡先に電話すると、サポート費用としてコンビニで電子マネーを購入しカード裏面に記載の番号を教えるように指示されます。
還付金詐欺
こんな連絡が来たら要注意!
医療費の還付金があります。
ATMで手続きすれば、還付金を受け取れます。
解説
市役所等の職員をかたってうその電話をかけ、被害者をATMに誘導。ATMから携帯電話で連絡すると、うその操作方法を教えて犯人側の口座へ振り込み手続きをさせます。
本紙、読者編集員2名も特殊詐欺の被害に!
その実際の体験談を紹介します。
読者編集員Aさん
- Q1 いつ、だれが、どのような詐欺被害にあわれましたか。
- A1 2022年5月ごろ、ネット商品に関する詐欺被害にあいました。(30代)
- Q2 被害にあった経緯を教えてください。
- A2 我が家では猫を飼育していますが、ちょうど猫用の大型ゲージを探していたところ、定価の3~4割程度安い金額で販売している当該サイトを見つけました。
- Q3 具体的な詐欺の内容・手口や、犯人との連絡内容などを教えてください。
- A3 ブランド品ではなく、日用品と手広く扱っているようなサイトで、手作り感満載のサイトに逆に騙されてしまいました。ネット上で注文すると、よくある「注文を受け付けました」というメールが届き、そのメールに振込先が書かれていました。
- Q4 詐欺被害額及び、お支払い方法を教えてください。
- A4 被害額は1万5千円です。指定口座へ振り込みました。
- Q5 被害にあって感じたこと、今後に生かしたいと思ったことや対策などを教えてください。
- A5 当然、ネット商品の詐欺被害や怪しいサイトにはアクセスしないように注意をしていました。しかし、「すぐにその商品が欲しい」、「それほど高い金額でもない」部分で、油断が生じてしまいました。かつ、何度か相手とメールをしましたが、その対応も適切なように感じました。後から調べると、口座名義や会社の住所なども怪しい部分があったように感じます。
口コミも調べましたが、ほとんど出てこなかったので、サイトが立ち上がって間もなくだったのでしょう。
- Q6 被害にあわれて、県民の皆さんに伝えたいこと。
- A6 自分だけはということは絶対にありません。私は当時33歳でしたが、しっかりと被害にあいました。この件で学んだことは、自分も知らない間に巻き込まれる可能性です。知らない間に名前や住所を使われることもあります。いろんなリスクを考えて、日々ネットを利用することが重要だと思います。
読者編集員Bさん
- Q1 いつ、だれが、どのような詐欺被害にあわれましたか。
- A1 2024年4月26日、配偶者(40代)がネット通販の返金を装い、お金をだまし取られる詐欺被害に遭いました。
- Q2 被害にあった経緯を教えてください。
- A2 子どもたちの運動会で使えたらいいな、というちょっとした気持ちで、前年に購入した一眼レフカメラに合う望遠レンズをネットであれこれ検索していると、大手ECサイトより半額ぐらいになった当該サイトをみつけました。
- Q3 具体的な詐欺の内容・手口や、犯人との連絡内容などを教えてください。
- A3 購入後、24時間以内に代金(1万3千円)を振込めば手数料が無料になるというメールが届き、すぐに指定された口座に振込をおこないました。一週間たっても発送連絡がなく、問い合わせると、商品が欠品しているため「返金」または「同等レンズへの変更」になるという連絡がありました。返金を希望すると、まずSNSでつながるようメールで指示があり、さらに、返金は「税関の問題で」銀行振り込みなどはできないため、キャッシュレス決済アプリの「送る」という機能で対応する、とのこと。「送る」機能とは、友人間で1円単位の送金ができ、食事の割り勘などに使われるものです。
そして、返金手続きのために相手から送られたQRコードを読み取り、相手が指示した数字を入力し送信する行為を2度繰り返しました。
パスワードかと思ったその数字は実は金額で、1万3千円を返金してもらうはずが、約40万円をこちらが送るかたちになってしまいました。
- Q4 詐欺被害額及び、お支払い方法を教えてください。
- A4 約40万円です。指定口座への振り込み及びキャッシュレス決済アプリによる支払いでした。
- Q5 被害にあって感じたこと、今後に生かしたいと思ったことや対策などを教えてください。
- A5 たいへん失礼ながら、判断力の落ちているお年寄りがだまされてしまっているが、自分には、(夫婦ともに40代の)わが家には関係ない、と思っていました。コンビニの店員さんなどが事件性に気づき未然に防がれた―という例がたびたび報道されていますが、すべてスマホの中で完結した今回のような「密室型」詐欺は、若い人もだまされる恐れが大いにあります。犯罪はすぐ身近にあることを痛感し、「便利」と「危険」は背中合わせで、便利さだけを楽観的に享受せず犯罪などに悪用されるおそれがあるもの、リスクのあるものだと留意して使わねば―というのも学びました。同様の被害が出ているという情報を事前につかんでいたら、配偶者も注意していたことと思います。まずは情報共有が重要だと思い、詐欺の手口を周囲のかたに積極的に話しています。
- Q6 被害にあわれて、県民の皆さんに伝えたいこと。
- A6 お金は1円も戻ってきませんが、みなさんに知っていただくことでこれ以上の被害を防げたら本望です。自分だけは、うちの家族だけは大丈夫と思わず、普段からコミュニケーションをとり、ご家族やご友人にいつもと違った様子があれば声をかけてみてください。被害者を出さないだけでなく、孤立した末に犯罪に手を染めてしまう人を出さない社会にするのも大切だと思います。
