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2021年、第1子の時に4か月の育休を取得し、現在第2子の育休中の後藤駿介さん(32歳)に話を聞きました。
県立高校で教員をしている駿介さん。「もともと子どもが生まれたら育休をとりたいとは思っていましたが、職場にはあまり前例がありませんでしたから迷う気持ちもありました。しかし、ちょうど第1子の妊娠がわかったタイミングで同業の友人が育休を取得して楽しそうに育児していることをSNSの投稿で知り、背中を押されましたね」前例がない職場でも自分が前例になるという気持ちで取得を決意しました。
現在、第2子での育児休業中。家族は妻の馨子(けいこ)さん、2歳の長女、生後4か月の長男との4人になりました。
家事の分担は、結婚する時から決めていました。馨子さんが料理を作り、駿介さんが掃除、洗濯、食器洗い、ゴミ出しを担当。育休中の今も、家事分担は同じです。
「第1子の育休中の4か月間に、つくづく感じたのは『育児ってそんなに簡単なものじゃない、妻一人では本当に大変』ということですね」
育休をとるまでは、20時、21時まで働く日も。土・日曜は部活の指導もしていました。
馨子さんは夫の話にうなずきながら「育休が明けてからは、17時のチャイムが鳴った瞬間に校門を出るくらい早く帰ってくるようになったんですよ」
駿介さんは「一人で育児をすることがどれだけ大変か育休中に分かっていたので、家庭を優先できるよう働き方を変えました。職場にも相談して定時に退勤できるように仕事の段取りを整えることで育休が終わってからも育児に参加できるよう心掛けました」
第2子の出産時も、「ぜひ育休を取りたい」と思った駿介さん。いつ、勤め先の高校に報告しようかと考えていると、4月から他の高校に異動することが決まりました。
「新しい職場でいきなり育休取得の話をできるだろうか...」
そんな不安がよぎりましたが、育休の取得を考えていることを異動先の校長に伝えると、前向きに受け止めていただき、無事に新しい職場でも育休取得を了承されました。
「教員の場合は、休んでいる間に代わりの先生が見つかるかどうかの心配があって……。代わりの先生が見つからなくても、育休は取れるんですが、申し訳ないなという気持ちにはなります。なんとか代わりを見つけてもらいたいという気持ちで交渉しました」
育休をどれくらい取得するかは馨子さんと相談。高校の授業の流れも考えて、5か月間の取得を決めました。
「長女の時にうまく生活が回っていたから、同じくらいの期間でいいかなと思いました」と馨子さん。駿介さんは「長女の時、産後間もない頃が1番大変でした。ですから今回は、産後すぐに戦力になれるよう、出産予定日より前の5月末から育休を取ったんです。そうしたら、予定日よりも10日早く生まれてきて。早めに休みを取っておいてよかったです。心配していた代わりの先生も無事に見つかりました」
馨子さんは、第1子の育休を取得中に、第2子を出産したので今も育休を継続中。まだまだ手がかかる第2子に付きっ切りなので、基本的に第1子の世話や遊び相手は駿介さんが担当です。
毎日だいたい朝7時に起きて朝食を食べさせ、11時ごろまで博物館や公園で外遊び、13時頃から昼寝、夕飯を食べさせて20時には寝かしつけます。子どもが寝た後は、自身のための英語の勉強も。第1子の夜泣きがある時は、夜中も起きて馨子さんをフォローします。
「これから職場に復帰し、第1子は保育園が始まったりと、家族の生活のリズムも変わりますが、育休期間中に夫婦での家事・育児を軌道に乗せることができたので協力してやっていけると思います」
「短い期間でもいいから、ぜひ取ってほしい」
「もし僕が育休を取得していなかったら、妻に育児のすべてをお願いしていたと思います。妻の実家は遠いし、友だちも近くにはいない。妻は精神的につらくなっていたかも。それに、子どもは毎日目まぐるしいスピードで成長します。初めて歩いたり、初めて言葉を発したりといった子どもの様々な“初めて”を自分の目で見られることは何事にも代えがたい幸せです。せっかく制度があるのだから、育休を取るか迷っている男性は、ぜひ取ってほしいですね」
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