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去る10月25日(水曜日)、伊丹市の白雪ブルワリーレストラン長寿蔵において、「令和5年度阪神北地域づくり懇話会」が開催されました。この会議は、阪神北地域の市町長、市長議会議長と知事が、地元県議会議員を交え、地域の課題について意見交換を行うものです。
会議では、医療、教育、防災、人口問題、インフラ整備など、各市町における重点課題について、有意義な意見交換がなされました。
今回は、その意見交換の内容についてご紹介します。
会場:「白雪ブルワリーレストラン長寿蔵」
会議風景
1. 各市町からの主な意見・提言
【伊丹市】
(1)伊丹市統合新病院整備工事の着手について
市立伊丹病院と近畿中央病院の統合に向けて、昨今の物価高騰等を踏まえ、財政的な面も含め県の支援を要望
救命救急センターとしての機能が備わった医療機関として、救命救急センターの指定を要請
(2)大阪・関西万博における「兵庫」の取組の国内外への発信について
大阪・関西万博は兵庫の魅力を国内外にPRする絶好の機会、民間との連携を図りながら日本遺産「『伊丹諸白』と『灘の生一本』」との相乗効果を生み出し、一体的・広域的な情報発信を要望
【宝塚市】
(1)宝塚市のにぎわいと共創の取組について
武庫川周辺空間の整備や河川敷の利活用等、宝塚市中心市街地の周遊性向上と活性化に向けた県の支援を要望
コロナが5類に移行して以降、インバウンドを中心に観光客が増加、宝塚市のさらなる観光需要の掘り起こしに協力を要請
(2)子育て施策について
子育て世帯に選ばれる街を目指し、スクールサポートスタッフやスクールカウンセラー等の配置拡充等にあたり県の支援を要望
(3)治水対策について
ため池の老朽化や所有者の高齢化等を踏まえ、ため池の点検や保全・改修等への県の支援を要望
県市が連携した総合的な河川・内水等治水対策について、さらなる協力を要請
【川西市】
(1)校内サポートルームへの財政支援について
市独自の不登校児対策として校内サポートルームを市内全小中学校に設置。不登校問題について、教育の重要課題として県市が協働した支援策の検討を要望
(2)「スポーツクラブ21ひょうご」に係るクラブ存続の応援
クラブハウスの老朽化が大きな課題。クラブ存続に向け、大規模修繕に係る財政支援を要望
【三田市】
(1)三田市民病院について
三田市民病院に関する今後の方針について、現在、市民会議において市民の意見を聴き、納得を得るというステップを踏んでいる。一方、ドクターを含め、現場の意見も聴取しており、地域医療を守る立場でと舵取りを展開
(2)人口減少対策について
少子高齢化・人口減少に歯止めをかけたい。ニュータウンのオールドニュータウン化を防ぐべく、市民との共創によるまちづくりを推進
(3)公民連携の推進について
民間活力を活かした県、市町との広域連携・共創について、県及び他市町の協力を要請
(4)市街化調整区域における開発許可制度のさらなる弾力的運用
市街化調整区域の地域活性化を図るため、開発許可制度の規制緩和や弾力的運用を要望
(5)災害対策に資する道路整備について
阪神淡路大震災の経験を踏まえ、災害時に有効な川西市・猪名川町・三田市にぬける道路整備を要望
【猪名川町】
(1)町北部の活性化について
阪急バス杉生線の路線維持が困難との申入れあり。阪急バス単独による運行継続は困難な状況であり、路線維持のための対応を模索中
町北部の唯一の医療機関「杉生診療所」の存続に向け、町からの財政支援を行いながら、町北部地域医療のあり方検討委員会により、持続可能な医療体制について検討中
猪名川町は町域の約94%が市街化調整区域に指定されており、用途変更などが課題。まちづくり協議会とともに移住対策を一層促進
(2)オールドニュータウンの再生について
まちびらき50周年を迎える日生ニュータウンはオールドニュータウン化が進み、もはや町単独のニュータウン再生には限界。持続可能で魅力あふれるまちの創造、移住定住促進対策に係る県の支援を要望
2. 知事からのコメント
(1)地域医療の確保について
伊丹市新病院建設について、物価高や建築資材の高騰等に配意し、国に適切な財政措置を要請するとともに、実態を踏まえ、県としてもどのような支援ができるか検討していく。
伊丹市新病院における救命救急センターの指定については、前向きに進めていく。
三田市民病院をめぐる今後の対応状況について、県としても注視していく。
(2)教育について
不登校・いじめの問題は身近で深刻な課題。保護者が安心して阪神・兵庫で子育て・教育ができる環境をつくっていく。校内サポートルーム、人員配置など、より良い教育環境づくりに関しては、今後、議論を進める。
阪神北地域においても、県立高校の魅力アップをベースに、これからも教育問題に注力していく。
(3)オールドニュータウン対策について
ニュータウンの再生は、阪神北地域において非常に重要な政策課題。子育て世帯に選んでもらえるよう、ニュータウン再生や、空き家、県営・市町営住宅のリノベーション等が重要。
阪神北地域は居住地としてのポテンシャルが高い。住まいの問題については、これからも力を入れていく。
(4)市街化調整区域について
令和7年度に都市計画マスタープランの見直しを予定。市町と合意した場合には市街化調整区域の線引きの廃止も含め検討を進めている。既存の空き家活用特区条例、市街化調整区域の規制を緩和する条例等の活用を促していく。
人口減少が進む中、市街化調整区域の規制を緩和しても無秩序な開発が広がる時代ではないので、市町に対する一定の権限委譲についても、時間をかけて議論を進める。
(5)フィールドパビリオンについて
既に160件を超えるエントリーがある。地元の素晴らしさを地元の子どもたちに実感してもらうことが重要。教育委員会等と連携し、公教育の場でフィールドパビリオンを体験する機会を設けていく。
(6)公民連携について
兵庫県も民間団体との包括連携協定の締結を進めており、特にスポーツ分野では、神戸ストークスが子ども無料席2,000席を用意するなどの例もある。こうした取組を広げるべく、市町ともノウハウを共有していく。
(7)ため池やインフラの整備について
河川やため池の安全、保全は非常に重要。防災の観点からもしっかりとインフラ整備を推進する。
(8)その他
私学無償化をはじめ、様々な施策により大阪府への人口流出が懸念されているが、大都市と比べ阪神間は住宅が購入しやすく、通勤や通学にも非常に便利で、子育てしやすい環境も整っている。こうした魅力を磨き、情報発信を強化していく。
県においても、住まい、教育、観光、仕事等の課題にしっかり取り組んでいく。
3 今後の対応
会議では、関係市町の意見・提言を踏まえ、地元県議会議員からもご意見をいただきました。
今回、いただいたご意見・ご提言については、県の関係所管に伝えた上、今後の県政運営に適切に活かしていきます。
阪神北県民局長 宮口 美範
お問い合わせ
部署名:阪神北県民局総務企画室総務防災課
電話:0797-83-3101(代表)
FAX:0797-86-4379
Eメール:hanshinksom@pref.hyogo.lg.jp