県南部で主に栽培されている米の品種キヌヒカリは暑さに弱く、農家の皆さんが丹精込めて作っても、暑さにより米が白く濁る未熟粒などが発生しています。そこで2016(平成28)年度からJAグループ兵庫と一緒に、キヌヒカリに代わる高温に強い新品種の開発に取り組んでいます。まずいろいろな品種を交配して3年かけて1万系統を作り出し、そこから2年で70系統を選抜。6年目からは食味試験や実際に生産者のほ場で栽培する現地実証などもしながらさらに選抜を重ね、現在は2系統まで絞り込みました。一番大変だったのは猛暑の環境をガラス温室に再現すること。温度を1日平均28度から29度に自動で調整できるシステムを開発し、高温に強いものを確実に選んでいきました。本年度中に1系統に絞り、来年度には一般栽培を開始する予定です。(県立農林水産技術総合センター 篠木佑さん)