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更新日:2025年1月14日

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厳しい自然相手でも、エールが継続の力に。

木村啓嗣さん
挑戦家:ヨットによる単独無寄港無補給世界一周、日本人最年少記録保持者

(株式会社浜田所属)

 

「頑張るな、無理するな」がエール。

エールというと一般的には「頑張れ頑張れ」ってイメージですが、僕が取り組んだヨットは、他のスポーツと違ってアドベンチャー的な要素が非常に強いので、僕の場合は「頑張るな、無理するな」「よく休め、体力温存しろ」というのがエールです。それが他のスポーツとは大きく違うところです。
自然の力が100だとすると、人間の力が及ぶのは、0から5の間くらいで、ほとんどが人間の力では抗えず、頑張ってどうにかなる世界ではありません。人間同士での競い合いとは違い、自然対人間は圧倒的に差を見せつけられる。その力の差を人間がどう受け流すかが大事です。
僕が今までやってこられたのは、やっぱり「頑張らなくていい」っていう言葉がすごく大きいです。頑張らなくても良いと言われながらも、応援してくれる姿勢が何よりも継続の力になっています。でも、頑張らなくていいのは海の上だけで、ヨットは段取りが9割5分を占めています。船に積んでいないものはありませんし、壊れたら終わり、途中で追加も補給もできません。陸での準備が全てです。練習でも本番でも頑張るっていうスポーツがほとんどの中で、僕は練習と準備を力の限り頑張って、本番は頑張らない、そのようなスポーツです。

 

ヨットの上では一人だけど一人じゃない。

陸上にはショアチームと呼ばれる20人くらいのチームが編成されていて、細かな体調報告、天気予報などをメールや電話など、時にはビデオ通話でかなり密に連絡を取り合っていました。毎朝はもちろん、トラブルが起きれば、トラブルの発生や状況を説明して、僕自身が行いたい解決方法を提案します。ショアチームからもリコメンドが届き、どの道具や修理パーツを使って修理をするか、その修理道具を温存しておくと、その後どのような選択肢を残すことができるか。この皆が「今はどういう状況?」とこちらの状況を知ろうとしてくれることも僕にとってのエールになっていました。
無寄港無補給での世界一周は、決して一人で達成できるプロジェクトではありませんでした。ヨットには一人で乗り込みましたが、一人じゃない、そう感じていました。

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