扁額の文字
「扁額」とは、トンネルの坑口などに掲げられた記念碑的な額のことをいいます。湊川隧道にも、呑口側、吐口側の両方の坑門に扁額が掲げられていました。
吐口側には、「天長地久」の扁額が掛けられています。この言葉は、「老子」第7章からの出典であって、天地は永遠に変わらぬ存在であることを意味しています。扁額の揮毫は小松宮彰仁親王によるものです。
〔吐口側の扁額文字の思想〕
扁額の右肩に記された「適意以取楽、隨寓以自安」という文字は、道教思想を反映したもので、人為の土木構造物が自然の中で悠揚と存続することを祈ったものと思われます。
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