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「地域産業の活性化」「交流の拡大」「緊急輸送機能の確保」「交通安全の向上」など、安全・安心で活力ある地域づくりを支える基幹道路ネットワークについて幅広く情報発信するため、播磨臨海地域道路をテーマとして、シンポジウムを開催しました。
藤井 聡 (内閣官房参与/京都大学教授) |
八木 早希 (フリーアナウンサー) |
大原 みれい (株式会社 日通総合研究所) |
森本 幸吉 (高砂商工会議所会頭) |
荒木 一聡 (兵庫県副知事) |
高速道路を整備することで、建設費用をはるかに上回る経済効果がある。この播磨臨海地域道路は、早くつくらないといけない道路であり、つくらないのは愚か者だ。一般的に、高速道路のインターチェンジから近いところほど、商業や工業が伸びている。これが高速道路の力。高速道路がある地域は成長して、無い地域は成長しない。高速道路ができると、企業や工場が進出するため、そこに雇用が生まれ、人口が増え、税収の増加にも繋がる。きちんと計画して道路をつくれば、国、自治体、商売人など、みんなが儲かる。例えば関東では、首都圏中央自動車道のIC周辺に産業団地ができた。もともと田園ばかりだったのが、近代製品を生産する土地に生まれ変わった。東海環状自動車道では、10年でアウトレットができ、温泉施設ができた。道路は公共投資だが、雇用が生まれ、人口が増えることで、民間の住宅投資まで誘発し、人口流入が始まる。道路をつくると、土地の意味が変わる。意味が変わると、価値が変わる。日本人は、この高速道路の力を過小評価している。最近道路をつくっていないので、その効果を実感できず、世論が小さくなっている。世論が小さくなっているから、道路ができず、効果を実感できないという悪循環になっている。
播磨臨海地域は大きなポテンシャルを有している。平成26年の設備投資額は約2,800億円で、近畿圏で一番大きい。8年間では合計約2兆円もの投資がされている。投資が大きいので、製造品出荷額も高水準で、豊田市に次ぐ全国第2位となっている。日本全体が低成長にある中、播磨臨海地域はこれだけ投資が続いている。関西、そして日本の希望である。当地域には約400haの工場適地があり、神戸臨海部25haの約15倍の開発余力がある。神戸まで開発が進んだので、次は播磨地域。だが近年は、投資額、製造品出荷額ともに伸び悩んでいる。なぜなら、基幹道路の整備が追いついていないからだ。播磨臨海地域の断面交通量は1日約12万台で、阪神臨海地域の約13万台に匹敵する。観光、ビジネスの交通もあるが、基本は物流交通が多い。しかし播磨には国道2号バイパスの6車線しか無い。阪神には神戸線と湾岸線で合計10車線ある。この時点で、ここに道路をつくらないということはあり得ない。関西、そして日本の発展のためにも、日本国民全員が、ここに道路をつくらせてください、と言ってもいいぐらいの道路である。
国道2号バイパスは、交通容量の約2倍の交通量があり、慢性的に渋滞している。渋滞で移動時間が長くなれば物流コストが上昇してしまうため、工場立地を阻む要因にもなっている。だから工場適地が余っている。高速道路の整備には費用がかかるが、投資した以上の効果が期待できる。何兆円もの投資が始まる、消費も始まる。投資することでどれだけのビジネスが始まるかを考えるべき。高速道路は将来世代も利用する。今は低金利であり、インフラ投資は国債発行で資金調達して早くつくるべき。それだけのポテンシャルが播磨臨海地域にはある。ここで投資しないと、日本国民は馬鹿ということになる。そうでないことを証明するためにも、是非、ここに早く道路をつくっていただきたい。
播磨臨海地域では、国道2号バイパスや国道250号などの東西幹線道路の交通量が、交通容量のほぼ2倍となっている。また、南北幹線道路でも容量を超過している路線が多く、交通が集中する朝夕の通勤時間帯には、市内の交差点で大渋滞が起こっている。兵庫県管理道路の渋滞交差点70箇所のうち、約半数の36箇所が播磨臨海地域に集中している。
現在、大型車などの産業交通は、臨海部の工場から南北幹線道路を通って加古川バイパスに向かう。産業交通と生活交通が混在するため、交通量が増加している。播磨臨海地域道路が完成すれば、この産業交通が南北幹線道路を通過することなく、臨海部から直接、神戸・大阪など東西方向にアクセスできるようになる。播磨臨海地域道路は、東西の流れを変えるだけでなく、南北の交通渋滞も解消する。また、加古川バイパスとのダブルネットワーク化により、交流の拡大、緊急輸送機能の確保、交通安全の向上なども期待できる。
近い将来、自動運転社会が到来し、物流も大きく変わる。これから10年、社会は大きく変化していく。高砂商工会議所は今年「クリエイティブ・ディスラプション ― 破壊と創造イノベーションに挑戦 ― 」をスローガンに掲げている。私はこの道路の事業推進と共に、ふるさと播磨の地に「イノベーション」を起こしたい。
最先端の科学技術、土木技術がこれから播磨臨海地域に集まってくる。皆さんご一緒に、時代の先を行く新しい高砂市、播磨臨海地域づくりに挑戦していこうではありませんか。未来を切り開く鍵は私たちの手にあります。しっかり扉を押し開けて、輝く未来を創りましょう。
【コーディネーター】 【パネリスト】 |
八木 早希(フリーアナウンサー) 藤井 聡(内閣官房参与/京都大学大学院教授) 大原 みれい(株式会社 日通総合研究所) 森本 幸吉(高砂商工会議所会頭) 荒木 一聡(兵庫県副知事) |
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