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農林水産業や農山漁村は、農林水産物の安定供給のみならず、自然環境の保全や美しい景観を創出するなど様々な多面的機能を有し、私たち県民の生命と生活の根源に深く関わっています。
本県では、すべての県民がそれぞれの立場で役割を担い、めざす姿として「ひょうごの多様性と都市近郊の立地を活かした力強い農林水産業の展開」を掲げ、効果的・効率的でわかりやすい施策体系を示した「ひょうご農林水産ビジョン2025」を平成28年3月に策定し、施策を展開してきました。
「ひょうご農林水産ビジョン2025」を策定後、これまでに、TPP11や日EU・EPA、日米貿易協定の発効など経済活動のグローバル化のさらなる進展、森林経営管理制度や森林環境譲与税のスタート、漁業法の改正、国の新たな「食料・農業・農村基本計画」の策定等、農林水産行政における大きな動きがありました。
また、農林水産業に利用可能な先進技術が急速に進展する一方で、それに対応すべき本県の農林水産業は、重要な担い手である団塊世代のリタイアが本格化するなど、少子高齢化の進行による労働力不足や地域活力の低下が一層見込まれるなど、食と「農」をめぐる社会情勢は大きく変化しています。
加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、インバウンド需要が激減、農水産物の輸出量が減少し、さらには国内においても外出自粛による外食需要の落ち込み等により、本県を代表する神戸ビーフや山田錦等は、ブランド戦略を再構築する必要性が増しています。一方で、過度な海外依存による生産・供給体制の見直しによる国産・国内回帰、都市集中の暮らしから田園回帰の気運の高まりに伴う二地域居住や楽農生活実践への行動が活発化するなどポストコロナ社会に向けた新たな動きが生じています。
このように、農林水産業・農山漁村は、現在、大きな転換期を迎えており、中長期的な食と「農」をめぐる情勢の変化を見通した施策の展開が求められています。これらのことを踏まえ、今後10年間の施策展開の指針となる新たなビジョンを策定し、兵庫の強みを最大限に活かした、持続可能な農林水産業に向けた取組を力強く展開します。
関連リンクとして
「ひょうご農林水産ビジョン2030」の全文(←ここをクリック)
ビジョンの実現に向け活躍する方々へのインタビュー動画(←ここをクリック)を掲載しています。
「農」とは 土を耕し、森を育て、豊かな海を守り、食料をはじめ人々の生活を支える様々なものを産み出す農林水産業の営み、その営みを通じた生物多様性などの環境保全や洪水防止、水源かん養等の多面的機能により県民の「いのち」と「くらし」を支えるもの。さらには、人々の生活の場である農山漁村とそこに育まれた伝統・文化、豊かで美しい景観など、広く農林水産業・農山漁村を捉えた概念。 |
ビジョンの着実な推進を図るため、各地域では、それぞれの地域特性に応じた施策の実行計画(地域アクションプラン)を策定しています。
地域アクションプランでは、地域の気候、風土や生活圏域、行政区分等のまとまりを考慮した9の地域を設定し、ビジョンに示される施策の基本方向に沿って、それぞれの地域において令和3年度から令和7年度までの5年間に推進していく施策とその目標を明らかにしています。
また、農業、畜産業、林業、水産業の分野ごとに、将来にわたり継続できる安定的・効率的な経営モデルを例示し、成長産業化に向けて、関係者が具体的なイメージを持って取り組めるようにします。
アクションプランの推進にあたっては、その進捗状況について、毎年度の点検・評価を行い、必要に応じプランの内容を見直すなど、社会経済情勢の変化などを踏まえ、迅速かつ柔軟に対応していきます。
関連リンクとして「地域アクションプラン」の全文(←ここをクリック)を掲載しています。
土地を耕し、森を育て、大地と海の恵みを分かち合う営みである「農」が、生活にゆとりや安らぎをもたらしてくれるだけでなく、経済効率だけでは捉えきれない多面的な機能を有していることを私たちは再認識する必要があります。
ひょうご農林水産ビジョンは、こうした機能が最大限発揮できる農林水産業・農山漁村を県民の参画と協働を得て実現することをめざしています。
この参画と協働による農林水産ビジョンの推進を図るため、農林水産政策審議会の調査審議を経て、「ひょうごみどり白書-農林水産政策白書-」を作成しています。
本白書は、農林水産ビジョンの実現に向けた施策の取り組みや地域の動きが目標に向かってどのように進んでいるかを毎年、点検し、県民の皆さんにわかりやすく情報提供することによって、「施策の企画立案→評価・検証(県民とともに点検)→改善(新たな施策の企画立案)」というシステムを循環させ、県民の参画と協働のもとにビジョンを推進します。
また、本白書に対して広く県民の皆さんからご意見等をいただき、施策に反映させることで、県民とともに歩む農林水産施策を推進していくこともねらいとしています。
関連リンクとして「ひょうごみどり白書」の全文(←ここをクリック)を掲載しています。
本県農林水産業・農山漁村に関する情報をわかりやすく県民の皆さんに届けるため、本県農林水産業やひょうご農林水産ビジョン2030の概要、農林水産関係重要施策をとりまとめた“ひょうごの「農」”を作成しています。
本冊子を活用し、県民の皆さんがひょうごの農林水産業・農山漁村への理解を深めていただくことにより、「農」が豊かな食と暮らしを創造する社会の実現をめざしていきます。
関連リンクとして「ひょうごの農」の全文(←ここをクリック)を掲載しています。
農林水産ビジョン2030とSDGsとの関連に係る取組ついて、以下のページでまとめています。
附属機関設置条例(昭和36年兵庫県条例第20号)及び農林水産政策審議会規則(昭和36年規則第43条)に基づき、知事の諮問に応じて、農林水産業及び農山漁村の振興のための基本的事項や農林水産政策に関する重要事項を調査審議する機関です。
委員定数:30名以内
2年間
諮問内容及び調査審議状況については、下記よりご覧下さい。
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