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協働のための広報 兵庫県 広報ガイドライン Hyogo Public Relations Guidelines
表と裏の役割分担
チラシ作成時、まずは表現内容を整理して配置を考えるのですが、その際のポイントは「表裏の役割分担」。表は「興味」「共感」「当事者意識」のいずれかを受信者に促すことを目的とし、裏で「詳細」と「アクション方法」を説明する。これがセオリーです。表が「ツカむ」役割を全うできなければ受信者は裏に意識は生きません。逆に言うと、表面で「ツカむ」ことさえできれば裏面は頑張って読んでもらえます。「ツカむ」役割だけを考えた表面を作ることが最重要になります。
例えば、集客を目的としたイベントチラシの場合、表面は、キャッチコピー(とメインビジュアル)、日時と場所、目玉となる内容…と、ここまで。あとは裏面です。イベントの詳細までもが表面にあるものをよく見かけますが、これは原則NGと考えてください。
認識順を整理する
相手がチラシを手にした時、どんな順序で情報を認識するのかを想像します。当然ながら、認識順序は、写真やイラストの大小、文字の大きさ、太さ、色、配置場所によって変わります。
これらを駆使して、思い通りのメッセージに筋立てます。
威圧感を回避する
「読んでもらえないから、もっと文字を大きく」という声をよく耳にしますが、すべての文字を大きくすればいいかというと、そうではありません。逆効果です。威圧感が生まれて、受け手は遠ざかります。重要なのはメリハリ。前述の認識順を考えた文字の大小をしっかりとつけます。
利用方法から構成を考える
最後になりますが、これはいちばん最初に考えるべき内容かもしれません。ラックに置く場合にタイトル(キャッチコピー)は上部に配置するのはもちろん、誰が誰に手渡すかによっても構成は変わります。例えば、このチラシ。技能検定開催側が採用側の企業に手渡すことを考えたキャッチコピーになっています。
次のページ:3章 制作『ポスターで5m先の人の足を止める。』
column Chapter-3-
キャッチコピーを考える
キャッチコピーを考える際には、原則「漠然としたきれいな言葉」は使わないようにします。見る側の心に引っかかりを持たず、しっかりと認識せずに流されてしまうからです。例えば「未来」という言葉。この漠然とした綺麗な言葉より「10年後」という具体性のある言葉の方が心に引っかかりを生みます。同様に引っかかりを生むための他のヒントとしては「受信者との接点」「考える余地」「個人の想い」など。言い換えると、自分ごと、問題提起、赤裸々感といったところでしょうか。