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世界最高性能の大型放射光施設「SPring-8」が立地する兵庫県では、産業界によるSPring-8の利活用を積極的に推進しています。
社会に対して広くSPring-8の認識と知名度を高めるため、SPring-8における様々な成果の中から、社会経済全般の発展に寄与することが期待される研究成果等を表彰する「ひょうごSPring-8賞」を平成15年度から設けています。
9月7日木曜日に神戸国際会議場にて、「第21回ひょうごSPring-8賞」表彰式を行い、あわせて受賞者の田村氏による記念講演を開催しました。
日時 令和5年9月7日木曜日 11時10分~12時10分
場所 神戸国際会議場(神戸市中央区港島中町6₋9₋1)
参加者 221名
受賞者(田村様)と実行委員会委員等で記念撮影 左から雨宮様、片山副知事、田村様、畑様、平尾様 |
左:片山副知事から表彰状と目録を贈呈
右:受賞者(田村様)による受賞記念講演
第21回ひょうごSPring-8賞パンフレット(PDF:2,897KB)
これまで紫外線により、毛髪を構成するタンパク質や脂質がダメージを受けることは知られていたが、頭髪の表層部の形状変化(うねり)が発生する原因を追求した研究は実施されていなかった。そこで、本研究では、頭髪の表層に顕著に見られるうねりの発生メカニズムを分子レベルで解明するため、マイクロビームX線により毛髪の分子構造を観察した。
その結果、毛髪タンパク質が有するジスルフィド(SS)結合が紫外線の影響で切断されてから再結合するまでの間に外力がかかるとタンパク質の構造がひずんだ状態で再結合し、パーマに似たメカニズムでうねりが発生することを明らかにした。
本研究成果を活かして、うねりの発生要因の一つである紫外線から毛髪を守る日焼け止めを開発し、全国販売につなげた。SPring-8のマイクロビームX線を活用して毛髪のうねり発生メカニズムを解明し、肌だけではなく毛髪のうねりにも効果のある日焼け止め商品の製品化につなげた業績は特筆すべきものである。
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