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名優・松重豊さんが、ただただメシを食う。ドラマ「孤独のグルメ」は不思議な魅力で10年続く人気シリーズです。7月から9月までシーズン9が放送され、相変わらず孤高の食事を楽しんでいました。ただ、これまでのシーズンと違い、出演者は皆マスク姿。コロナ禍を正面から描いています。
コロナ禍はテレビドラマにもさまざまな影響を与えました。昨年の第1波の緊急事態宣言中には撮影がストップし、新作ドラマの放送が延期されました。
第1波が収束した後、ドラマ制作は難題と向き合わなければなりませんでした。「コロナをどう描くか」。
ドラマは虚構の世界です。どこまで現実世界を反映するべきなのか。対応は分かれました。昨年10月期放送分でみると、コロナがいまだ収まらない世界での恋愛を描いた「#リモラブ」、かつてマスクの激しい争奪が行われた回想シーンを描くことでアフターコロナの世界と位置づけた「姉ちゃんの恋人」、コロナには1ミリも触れず、普通の世界でドラマを展開した「この恋あたためますか」。試行錯誤だったと思います。次のクールの「俺の家の話」が、コロナ禍であることに直接は触れず、自然と溶けこませたドラマの好例ではないでしょうか。外出するときはマスクをし、家の中で家族とは外して会話する、そんな姿が自然に描かれていました。(そういった要素は抜きにしても、傑作だったと思います。)
現在放送されているドラマでは、「孤独のグルメ」のようにコロナ禍を設定に取り入れるのはまれで、もうほとんどマスク姿は見られません。ドラマにおいて、役者の表情は大事な要素なのに、マスク姿では表現に制約が生じてしまいます。そういったことも今のドラマのスタンダードを作っているのかもしれません。しかし、これだけコロナ禍が長期化し、外出時のマスクの着用がニューノーマルとなっている中、いくら虚構の世界とはいえ、何事もなかったかのように描かれるドラマに違和感を抱くのは私だけではないでしょう。
10月1日から緊急事態宣言が解除になりましたが、引き続き、飲食時でも会話の際にはマスクの着用が求められています。
「孤独のグルメ」シーズン9の第1話で、松重豊さん演じる井之頭五郎が、「遠くにある好きな店が、変わらず続いていると、本当にうれしい。そんなこの頃だ」とモノローグで語るシーンがあります。感染症対策をしながら今日も営業を続ける、そんな店の努力に報い、少しでも感染防止につなげるためにも、愚直にメッセージを発信します。
県民一人ひとりの行動が、感染再拡大の抑止につながります。
飲食時でも、会話の際にはマスクの着用をお願いします。
阪神北県民局長和泉 秀樹
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