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新年、あけましておめでとうございます。
未だコロナ禍ではありますが、心安らかな新年を迎えられたでしょうか。
昭和40年代半ばから平成の始めにかけて、正月映画の定番は「寅さん」でした。「男はつらいよ」というより、「寅さん」といった方が通りはいいでしょう。渥美清という稀代の喜劇役者と、監督・山田洋次の幸福な出会いが生んだ、日本の誇るべき名画です。実は、私の寅さんデビューは遅く、5~6年前に、BSテレ東で毎週土曜日に放送しているのをたまたま観たのが最初でした。懐かしい昭和を舞台に繰り広げられる義理人情、江戸っ子でありながらどこか浪花節的な寅さんにはまってしまいました。フォーマットは大体決まっています。旅先からふらっと帰ってきた寅さんと叔父さん夫婦や妹のさくらたち葛飾柴又の人々が一悶着、怒って旅に出た寅さんが旅先で女性(マドンナ)に惚れ、柴又に帰った寅さんが上京したマドンナと再会、いい感じになるが最後は振られてしまい、再び旅に出る寅さん。こう書いてしまうと身も蓋もありませんが、そのフォーマットの中でさまざまなドラマが展開され、一作として退屈なものはありませんでした。
寅さんは毎回旅にでますが、兵庫県を旅したのが、第17作の「寅次郎夕焼け小焼け」。タイトルが、たつの市出身の詩人・三木露風が作詞した童謡「赤とんぼ」から取っていることからわかるように、舞台はたつの市です。例によって寅さんが惚れるマドンナは、両親を亡くして弟・妹を育てるために働くぼたんという芸者。太地喜和子さんが妖艶かつ溌剌と演じていました。寅さんの優しさとだらしなさ、下町・柴又の人々の人情、そして温かさに満ちた見事なラスト。寅さんファンの間でも人気の高い作品です。
そして、渥美さんの生前最後の作品、第48作「寅次郎紅の花」でも寅さんは兵庫県を訪れます。阪神・淡路大震災後の神戸市長田区。
「皆様、本当にご苦労様でした。」
ラストシーンで、復興に励む人々に労いの言葉をかけます。それが寅さんの、そして渥美さんの最期のセリフになりました。
阪神・淡路大震災から27年を迎えます。
震災の経験と教訓を次代に引き継ぐため、今年もさまざまな震災関連の行事が行われます。
この機会に、家族で災害時の避難先を確認する、マイ避難カードを作るなど、一つでも防災につながることをしてみましょう。
寅さんについて、西播磨のたつの市、神戸の長田区と、阪神北地域以外の地名しか出てきませんでした。「何か阪神北との関連はないか」と探してみると、一つ見つけました。
第10作「寅次郎夢枕」のマドンナは八千草薫さん。元タカラジェンヌです…。
本年も、阪神北県民局をどうぞよろしくお願いします。
阪神北県民局長和泉 秀樹
お問い合わせ
部署名:阪神北県民局総務企画室総務防災課
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