ホーム > 健康・医療・福祉 > 福祉一般 > その他健康・福祉 > 戦争の記憶と教訓の継承~わたしたちの街中にある「戦争の痕跡」~

更新日:2024年5月28日

ここから本文です。

戦争の記憶と教訓の継承~わたしたちの街中にある「戦争の痕跡」~

みなさんは戦争が遠い昔の出来事だと思っていませんか?
みなさんが普段何気なく生活している街の中にも「戦争の痕跡」が数多く残っています。
このページでは県庁の周辺に残る「戦争の痕跡」を一部ご紹介します。
少し足を止めて、「戦争の痕跡」に目を向け、平和について考えてみませんか?

神戸空襲について

これから紹介する「戦争の痕跡」は神戸空襲によってできたものだと言われています。

昭和17(1942)年4月18日アメリカ軍による最初の日本本土空襲がありました。東京市、川崎市、横須賀市、名古屋市、四日市市、神戸市に爆撃機が来襲し、神戸市にはそのうちの1機が兵庫区に焼夷弾を投下しました。当時の神戸市は、アメリカ軍の資料によると「人口100万人の日本の6大都市のひとつで、日本の主要港である。また造船所群は、船舶造船と船舶用エンジン製造の日本最大の集中地域であり、鉄鋼・鉄道車両・機械・ゴム・兵器などの基幹産業は、神戸の輸送活動と密接に関連して立地している。」とされ、重要な戦略爆撃目標の一つとされました。

昭和19年12月15日にB29機が神戸上空を飛来し、工業地帯の空中写真を撮り、12月18日にも神戸上空を侵入し、神戸および兵庫県下の偵察を行うなどアメリカ軍は神戸地域への空襲を準備していました。
神戸地域へのアメリカ軍の空襲が本格化したのは昭和20年に入ってからであり、昭和20年2月4日の空襲では、兵庫区(旧湊東区)・長田区(旧林田区)が被害を受けました。このときの空襲は、それまでの軍事施設や軍需工場の精密爆撃から焼夷弾による市街地無差別絨毯爆撃へと攻撃方法の転換を図る実験的性格をもつものでした。3月17日未明の空襲では、兵庫区(旧湊東区)、長田区(旧林田区)、中央区(旧葺合区)を中心とする神戸市の西半分が焼失しました。また5月11日には、川西航空機甲南製作所を目標として東部の灘区と東灘区(当時の武庫郡御影町、魚崎町、住吉村、本庄村、本山村)が攻撃されました。さらに6月5日には、西は垂水区から東は西宮市まで広範囲にわたった大規模な空襲を受け、それまでの空襲で残っていた神戸市の東半分が焦土と化しました。

この空襲による被害を正確に算定することは難しいですが、人的被害は死者約7,500人超、負傷者約17,000人にも及びました。

(出典:神戸市ホームページ「BE KOBE神戸の近現代史/神戸大空襲」(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))​

 

わたしたちの街中にある「戦争の痕跡」

1.JR三ノ宮駅高架機銃掃射痕

JR三ノ宮駅と阪急三宮駅を結ぶ連絡通路の横に見える橋梁をよく見ると、いくつもの穴が開いています。この穴はアメリカ軍戦闘機による機銃掃射痕と言われています。銃弾は鉄板を貫通し、めくりあげるほどの凄まじい威力であったことが見て取れます。
昭和20(1945)年6月以降制空権が無くなったことで、アメリカ軍戦闘機の機銃掃射が増え、また、同年6月5日早朝、三宮駅周辺でも激しい空襲が襲い、駅前一帯は見る限り焼き尽くされました。

JR三ノ宮駅高架機銃掃射痕1 JR三ノ宮駅高架機銃掃射痕2
JR三ノ宮駅高架機銃掃射痕3 JR三ノ宮駅高架(全体)
 
JR三ノ宮駅周高架機銃掃射痕(横断歩道からの位置関係)  

2.県庁周辺(戦災プラタナス跡、日本基督教団神戸協会敷石)

当時、県庁として使用されていた現在の県公館は、昭和20(1945)年3月17日の空襲により、屋根部分に爆弾・焼夷弾攻撃を受け、外壁を残し焼け落ちました。また、県庁南側にはプラタナス並木がありましたが、同年6月5日の空襲であたりが燃え広がりプラタナス並木は火の海となりました。プラタナスの木々たちは片側が焼けるなどしたにも関わらず、腐蝕と戦いながら成長していき戦災後も新たな芽を吹いたといいます。現在は都市整備事業のため撤去されましたが、切り株が兵庫図書館戦災記念資料室に大切に保存されています。また、県庁を少し西へ歩くと、日本基督教団神戸教会があり、階段西側に爆弾により破壊された公会堂前市道の溝蓋の敷石が当時の姿のまま保存されています。

内部が焼け落ちた県公館(県議会史第四輯第一巻より) プラタナスの幹断面(兵庫図書館保存)
プラタナスの幹(兵庫図書館保存) プラタナス並木だったところ(県庁南側歩道)
 
溝蓋の敷石(日本基督教団神戸教会保存)  

3.海岸ビル、商船三井ビルディング等

神戸のおしゃれな街にたたずむビル等も美しい見た目の影で「戦争の痕跡」を残しています。ビルの外壁をよく見ると、穴を埋めたような痕をたくさん見ることができます。この痕も機銃掃射痕と言われています。海岸ビル、商船ビル等その近辺のビル、海岸ビルヂング(旧日濠会館)、市立博物館にも弾痕痕があります。海岸ビルヂング(旧日濠会館)は国の登録有形文化財に登録されていますが、空襲で正面に乗せられていたペディメントが破壊され今とは違う姿でした。

海岸ビル表示板 海岸ビル機銃掃射痕1
海岸ビル機銃掃射痕2 商船三井ビルディング
 
商船三井ビルディング機銃掃射痕  


戦災遺跡地図(全体)

アクセス

JR三ノ宮駅高架

JR「三ノ宮」駅下車すぐ

元町駅周辺地図

【兵庫県庁】神戸市中央区下山手通5-10-1
【兵庫県公館】神戸市中央区下山手通4-4-1
JR西日本・阪神「元町」駅徒歩8分/神戸市営地下鉄「県庁前」駅下車すぐ

【日本基督教団神戸教会】神戸市中央区花隈町9-16
阪急「花隈」駅徒歩2分/神戸市営地下鉄「県庁前」駅徒歩2分/JR西日本「三ノ宮」駅徒歩10分

神戸市立兵庫図書館

兵庫区駅南通5-1-1キャナルタウンイースト2階
JR西日本「兵庫」駅徒歩2分/阪神神戸高速「大開」駅徒歩8分

海岸ビル周辺地図

【海岸ビル】【商船三井ビルディング】神戸市中央区海岸通3
【海岸ビルヂング】神戸市中央区海岸通3-1-5
【神戸市立博物館】神戸市中央区京町24
神戸市営地下鉄「旧居留地・大丸前」駅徒歩4分/阪神「元町」駅徒歩7分/JR西日本「元町」駅徒歩7分

参考

神戸市ホームページ「BE KOBE神戸の近現代史/神戸大空襲」(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
神戸市ホームページ「神戸の戦災」(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
神戸市立兵庫図書館(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
神戸空襲を記録する会(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
神戸平和マップをつくる会(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

お問い合わせ

部署名:福祉部 地域福祉課 恩給援護班

電話:078-362-3204

FAX:078-362-4262

Eメール:chiikifukushi@pref.hyogo.lg.jp