- 兵庫県では、ユニバーサル社会づくりを進めようとする全ての人が共有すべき理念と実現に向けた取組の基本方向を明らかにするため、2005年に「ひょうごユニバーサル社会づくり総合指針」(以降、総合指針)を策定し、だれもが主体的に生き、支える社会の構築をめざしてきた。
- 2018年には、年齢、性別、障害の有無、言語、文化等の違いに関わりなく、全ての人が地域社会の一員として尊重され、互いに支え合い、一人ひとりが持てる力を発揮して活動することができるユニバーサル社会実現のための基本理念等を定めた「ユニバーサル社会づくりの推進に関する条例」と、障害者等が自ら情報を取捨選択し、自らの意思で行動できるよう、生活に必要な情報の取得や利用、意思疎通の多様な手段の確保に関する取組を促進するため、議員提案による「障害者等による情報の取得及び利用並びに意思疎通の手段の確保に関する条例」(ひょうご・スマイル条例)を制定(2月)・施行(4月)した。
- これらの条例の基本理念実現のために、同年10月に総合指針を改正し、「ひと」「参加」「情報」「まち」「もの」の5つの柱のもと、ユニバーサル社会づくりの推進に向けた取組の方向性等を定め、県民、事業者、団体及び行政の参画と協働により、各種施策に取り組んできた。
- 前回の総合指針の改定から6年が経過し、SDGsの伸展やデジタル化の加速、働き方の多様化、マイノリティに関する認識の変化、SNS上の誹謗中傷など新たな人権問題、子どもの貧困、制度の狭間の課題の顕在化等、社会情勢の変化を踏まえ、従前の5つの柱のもと、新たに県施策の基本的方向を定めることとした。
- 「ユニバーサル社会づくりの推進に関する条例」第12条に基づき、基本理念(ひと・参加・情報・まち・もの)に基づく施策を総合的に実施するための指針であり、県施策の基本的な方向性を示すものである。
なお、同条例の実施条例として、「福祉のまちづくり条例(1)」「障害者等による情報の取得及び利用並びに意思疎通の手段の確保に関する条例(ひょうご・スマイル条例)(2)」「高齢者、障害者等が円滑に旅行することができる環境の整備に関する条例(ユニバーサルツーリズム推進条例)(3)」をそれぞれ制定している。
- (1)高齢者や障害者を含むすべての県民がいきいきと生活できる福祉のまちづくりを推進するため、1992年10月に全国に先駆けて制定
- (2)障害者等の生活に必要な情報の取得や利用、意思疎通の多様な手段の確保に関する取組を促進し、県民誰もが安心して暮らし、自己決定による能動的な社会参画ができる環境を整え、ユニバーサル社会づくりを推進するため、2018年4月に制定
- (3)高齢者、障害者、乳幼児を同伴する人など移動や宿泊に困難を伴う人が、行きたいところに旅行できる環境を整備するため、2023年4月に、ユニバーサルツーリズムに特化した条例として全国で初めて制定
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- 「障害者等による情報の取得及び利用並びに意思疎通の手段の確保に関する条例」第7条第1項に定める実施計画である。
- 県政の基本指針である「ひょうごビジョン2050」がめざす「みんなが生きやすい地域」をはじめ「安心して子育てできる社会」「安心して長生きできる社会」などを実現するためのユニバーサル社会づくりの推進分野での県施策の基本的な方向性を示す指針となる。
- 始期:2025年4月からとし、社会情勢やユニバーサル社会づくりの取組状況を踏まえながら、必要に応じて見直しを実施する。
- 県は、ユニバーサル社会づくりの実現に向けて、総合指針に沿って、毎年度、実施施策をとりまとめるとともに、その実施状況を公表する。
4兵庫県のめざすユニバーサル社会の姿
全ての県民がユニバーサル社会の当事者として互いを尊重し、支え合い、持てる力を発揮し、自分らしく楽しく活動し、自己実現することができる寛容な社会
「ひと」人格と個性を尊重しつつ、支え合う社会
- 年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位などの違いにかかわりなく、だれもが社会の一員として人格と個性を尊重し、理解し、支え合うひとづくりを進める。
「参加」全ての人がその能力を発揮して、多様な社会参加・参画ができる社会
- だれもが自らの能力を発揮して働くことや、地域社会の一員として様々な活動に参加・参画することができるよう、障壁を取り除き、多様な選択が用意された社会をめざす。
「情報」生活に必要なあらゆる情報を円滑かつ適切に取得し、利用する多様な手段が確保され、自らが望む意思疎通の手段を選択することができる社会
- ひょうごスマイル条例に基づき、様々な情報伝達手段を組み合わすことにより、だれもがどのような時でも理解しやすい情報を容易に入手でき、利用し、意思疎通を図ることができるようにする。特に災害時にだれも取り残されることのないよう、必要な情報が届く体制を整備する。また、情報通信技術を安全・安心に利用できる社会をめざす。
「まち」福祉のまちづくりの推進により、安全で安心な暮らしが確保される社会
- だれもが、地域で安心して住まうことができる社会をめざす。また、福祉のまちづくり条例やユニバーサルツーリズム推進条例の理念を踏まえ、自宅から街なかへはもちろん、行きたいところに自由にかつ安全・快適に移動し、活動できる生活空間の整備を進める。
「もの」全ての人にとって利用しやすく、質の高い製品及びサービスが普及する社会
- 生活に必要なモノやサービスを、ユニバーサルデザインの観点から、だれもが利用しやすく、満足のできるものとする。また、理にかなった工夫の積み重ね(合理的配慮等)により、障害のある人などの活動を制限している障壁を取り除いたサービスの提供をめざす。
5県施策の基本的方向
- 障害など困難を抱える人や多様なバックグラウンドのある人との主体的な関わりなどを通じた、人を思いやる豊かな心の醸成、ユニバーサル社会づくりの基本理念への理解を深める機会の提供
- 困難を抱える子どもが自立して社会参加・参画するための基盤となる生きる力を育むための子どもの意見を尊重した教育の実施
- ユニバーサル社会づくりを地域や職場で率先して行う人材や専門的知見を有する人材の確保
- 全ての人がそれぞれの状況や能力に応じて、ICTの活用やマッチングなどにより、多様な職種及び働き方を選択することができる環境の整備
- 地域に見守られながらだれもが安心して出産し子育てができる体制の整備
- 複合的な要因又は制度の狭間で困難を抱える人などが直面する障壁を除去するための支援体制の整備
- 特別な支援が必要な子どもや家庭への支援体制の整備
- 地域活動や文化芸術、スポーツ活動、ユニバーサルツーリズムなどを通じた交流と社会参加・参画の促進
- 手話、点字、音声自動翻訳機等の多様な方法により、全ての人がどのような時でもあらゆる情報を円滑に取得及び利用することができる措置の実施
- 手話通訳、点訳等を行う人材の養成及び県民が手話等を学習する機会の確保
- 災害時の支援が特に必要な者に対し、その安全を確保するために必要な情報をいつでも迅速かつ的確に伝達する体制の整備
- 情報通信技術を活用した情報の発信及び情報通信技術の進展による利便性を全ての人が安全・安心に享受することができる環境の整備
- インターネット等でのマイノリティの方を含む他者への人権侵害の抑止や情報リテラシーの向上など誰もが加害者にも被害者にもならないための取組の実施
- 住宅確保要配慮者への住まう権利の保障に向けての取組の実施
- 心身の機能の低下などによる状況の変化に対応した住宅の整備
- 安心して、公共施設等を利用し、通勤や通学、通所、買い物、旅行等を含むあらゆる生活の場面において公共交通機関等により円滑に移動するためのハードソフト両面での整備促進
- 地域住民、利用者等の意見を尊重した公共施設等の整備及び運営が行われる体制の整備
- 自治会や民生委員、非営利法人、ボランティア団体等多様な主体による市民活動や、医療及び介護等地域に安心をもたらす社会サービスの提供促進
- 全ての人にとって利用しやすいよう設計された日用品その他の製品の研究開発と普及
- 先端的な技術を活用した医療・福祉サービスの提供のための研究開発と普及
- 全ての人にとって利用しやすいよう配慮されたサービスの提供並びに障害のある人などへの理にかなった工夫の積み重ね(合理的配慮等)によるサービス向上の促進
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ご意見の提出方法・提出先
「ひょうごユニバーサル社会づくり総合指針」(改定案)の県民意見提出手続(パブリック・コメント手続)実施(別ウィンドウで開きます)