更新日:2023年3月27日

ここから本文です。

局長メッセージ(令和5年3月)

 1月の大雪では、ここ柏原でも30㎝の積雪を記録しましたが、2月の立春の頃になっても管内至るところで残雪がみられました。その後も何度か降雪に見舞われ、その度ごとに慣れない手つきで車の雪下ろしをする羽目に。気温を調べてみると、決して平年以上に低いわけではなかったのですが、雪のせいか気温以上に寒さが身に染みる日々を送りました。

                  雪

 

 そんな寒々しい日々が続くなか、シリ丹バレー推進協議会では、1月、2月と、矢継ぎ早に新たな事業を開始しました。1月20日(金)には、シリ丹バレー推進協議会と(株)みなと銀行、(公財)新産業創造研究機構(NIRO)の共催により、「シリ丹バレーDXセミナー」を丹波篠山市民センターで開催しました。DX推進のポイントやDX先進企業の取組を学ぶこのセミナーには、会場・オンラインあわせて約150名が参加しました。

 当日は、(株)みなと銀行服部博明取締役会長のご挨拶に続き、川上和也同行地域戦略部グループリーダーから、観光分野でのDX導入事例についてご紹介いだきました。続いて、上原伸也(株)タナベコンサルティング部長から、DXを実践するうえでの4つのポイント-ビジネスモデル、マーケティング、マネジメント、人材-についてご講義いただきました。

                 DXセミナー

                シリ丹バレーDXセミナーでの質疑応答の模様

 次いで、プラスチック製品を製造するアスカカンパニー(株) の長沼恒雄代表取締役から、複数の工場の生産工程をリアルタイムでみえる化し、データをもとに製品の品質向上や生産性の向上を進めている同社の取組をご報告いただきました。また、長沼氏は自ら変化を起こす気概を抱くようにと、経営者にエールも送っていただきました。

 2月2日(木)には、来年度立ち上げる「丹波ウッドバレー研究会(外部サイトへリンク)」の準備会を丹波の森公苑で開催し、木材関連産業関係者ら約30名が参加しました。同研究会は、丹波産木材を活用したライフスタイル・インダストリー(生活創造産業:住宅・オフィス、家具、什器、クラフト等)等の創造に向けた交流、情報交換、知識共有の場として設立されるものです。3月のシリ丹バレー推進協議会総会で、4番目の分科会プロジェクトに認定される予定です。将来的に研究会は事業創造の場へと発展していくことが期待されています。

 当日は、事務局からウッドバレー研究会の概要説明を行ったのち、代表・副代表の選任があり、足立龍男FOREST DOOR GROUP代表が研究会代表に選任されました。続いて、ゲストとして招聘した(株)地域創生Coデザイン研究所の髙瀨友彬研究主任に宮崎県における林業DXの取組事例等についてご講演いただきました。その後の意見交換では、森林のデータ化やカーボンクレジット、林業DXの推進体制などについて、参加者と登壇者の間で活発に質疑応答が行われました。

                 ウッドバレー

           丹波ウッドバレー研究会準備会での(株)地域創生Coデザイン研究所による講演の模様

 

 2月に入って、丹波女性起業家ネットワークも新たな動きをはじめました。これまで地域内で交流活動を行ってきた同ネットワークが、対外的な交流に乗り出すことにしたのです。その第一弾が、2月19日(日)に開催したアメリカ・オレゴン州の女性起業家グループとのオンライン交流会、「日米女性アントレプレナー・クロストーク」です。

                クロストーク

                日米女性アントレプレナー・クロストークの参加者

 

 この交流会は、兵庫県ワシントン州事務所、オレゴン州ポートランド振興局、オレゴン州兵庫県人会との共催で開催されたもので、日本側からは、谷水ゆかりネットワーク代表など5名のメンバー、アメリカ側からはコーディネーターの篠原杏子オレゴン州兵庫県人会会長のほか3名の起業家の方にご参加いただきました。

 交流会では、まず小林潤子兵庫県ワシントン州事務所長から、アメリカ太平洋岸北西部(Pacific NorthWest)における女性起業の状況と起業支援策などについてご説明いただき、次いで、アメリカ側の各参加者から、渡米し起業に至った背景や現在の事業内容、市場動向などについてご報告いただきました。

 続いて、日本側の参加者からそれぞれの事業内容等について報告があり、その後、意見交換に移りました。その場では、販路開拓が話題の1つに上がり、アメリカ側の参加者から、インターネットを通じての販路拡大が主流となりつつあるアメリカ市場の状況説明があり、日本側参加者に対し英語での自社ページ作成の重要性などについて助言いただきました。

 また、アメリカ側参加者からは、アメリカにおいて日本製品、日本ブランドが非常に高く評価されている実態が報告されました。「日本のボールペンなど身近にあるものでも、国内では当たり前すぎてその質の良さがわからないでいるけれども、アメリカに来ると、その価値がよくわかる」と仰っていました。こんなお話も、丹波の女性起業家にとって新たな気づきを得る機会になったようです。交流会終了後、日米の関係者一同今後も継続してこのような会を開催していくことで合意しました。

 第二弾の対外交流は、その3日後の2月22日(水)夕刻にグランフロント大阪のナレッジキャピタルで対面により行われました。「関経連×シリ丹バレー女性起業家サポート交流会」と銘打たれたこのイベントは、シリ丹バレー推進協議会と(公社)関西経済連合会の共催により開催されました。

                  女性起業家プレゼン

                    プレゼンを行う丹波女性起業家

 

 今回の交流の相手先は、関西で女性の起業を支援している 「女性起業家応援プロジェクト&ネットワーク」(LED関西)のメンバー4名の方です。いずれもLED関西のビジネスプラン発表会のファイナリストの方々です。参加者それぞれのお話を聞くと、やはり錚々たる方ばかりでした。ビジネスモデルの独創性だけでなく、ビジネスを通じた社会課題の解決、ワークライフ・バランスの実現など、様々な点で示唆に富むお話をしていただきました。

                  女性起業家参加者

                   女性起業家サポート交流会の参加者

 

 LED関西の方に続いて、丹波女性起業家ネットワークからの参加者4名も、自己紹介を兼ねた事例発表を行いました。皆さん起業、事業への想いを熱く語っていただきました。その後の参加者同士の交流タイムでは活発な意見交換が行われ、丹波側の参加者からは「地域課題を解決するために起業した方など、各々の事業に対する想いやストーリーに触れ、大きな刺激になった」との感想が寄せられました。第一弾に続き、今回もまた新たなモチベーションに得る機会になったようです。

 この女性起業家サポート交流会が開催された日は、シリ丹バレー推進協議会事務局にとっては、大変忙しい日でありました。というのは、午前中から協議会はグランフロント大阪コングレコンベンションセンターで開催された交流イベント「第3回うめきた響合の場(外部サイトへリンク)」(主催:関西経済連合会、関西イノベーションイニシアティブ)に参加していたのです。

 このイベントは、企業、大学、支援機関等が縁日の“出店”(でみせ)のように集まり、そこにマッチングを期待するスタートアップ等がアイデアやシーズ、相談を持ち込むもので、幸いなことに、シリ丹バレー推進協議会の“出店”は、個別面談の予約枠7枠全てが埋まるほど盛況でした。

                  うめきた響合

                 “出店”での面談の模様(第3回うめきた響合の場)

 

 面談に来たスタートアップ等からは、「伝統産業における市場価値の共有と開発の共創」、「NFT※1(非代替性トークン)を活用した地域における関係人口創出」、「フェムテック※2の構築による女性のパフォーマンス向上と女性の社会進出」、「B to B取引を効率化する新しい商品管理ソフト」といったテーマで提案・相談がありました。

※1 NFT(=Non-Fungible Token)とは、「偽造・改ざん不能のデジタルデータ」であり、ブロックチェーン上で、デジタルデータに唯一の性質を付与して真贋性を担保する機能や、取引履歴を追跡できる機能をもつもの。

※2 女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品・サービスのこと。Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語。

 当協議会にとって、今回の“出店”はスタートアップや企業の方と1対1でじっくりと面談でき、大変有意義な機会となりました。今後も、様々な機会を通じて、域内外の企業やスタートアップとの連携を模索していきます。

22日当日の午後には、会場内でシリ丹バレーの活動概要などを紹介するミニセミナーを催しました。ミニセミナーでは、安達鷹矢協議会幹事(㈱Local PR Plan代表取締役)に丹波篠山市福住地区のエリア戦略-創造的職人町の形成-について語っていただきました。次いで、足立龍男丹波ウッドバレー研究会代表(FOREST DOOR GROUP代表)に、資源循環型林業の推進や旧小学校舎の森の情報発信拠点化等をテーマにご報告いただきました。最後に登壇した協議会アドバイザーの忽那憲治神戸大学大学院経営学研究科教授からは、「丹波地域の資源を活用した地域活性化に向け精力的に活動しているお二人の活躍に期待している」と、ご両名にエールを送っていただきました。

                   うめきた響合ミニセミナー

                   ミニセミナーの模様(第3回うめきた響合の場)

 

 シリ丹バレー推進協議会では、こうした一連の取組を通じて、域内外へネットワークを急速に拡大しています。新年度からは、これらのネットワークを活かして、地域発の事業創造、イノベーションの創出を本格化、加速化してまいります。

 そのための仕掛けとして、新年度、管内の地区単位でビジネスコミュニティをつくる事業(丹波型事業共創コミュニティ事業(外部サイトへリンク))を開始します。この事業では、地域課題の解決や地域資源の活用に資するビジネスの創造をめざし、事業に携わる人材をオープンイノベーションの形(公募方式)で募ります。必要な知識、スキル、経験を有し、事業への意欲、地域への関心・愛着をもった人材であれば、居住地、性別、年齢、国籍等に関わらず、迎え入れることにしています。今回の一連の取組でつながった人たちのなかからも、公募に応じていただける方が出てくるものと期待しています。新しいつながりを力として、地域発イノベーシンの創出に取り組むシリ丹バレーの今後にご注目ください(丹波型事業共創コミュニティ事業の事業内容や人材公募方法については、決定した段階で協議会ホームページを通じて公表いたします)。

 

お問い合わせ

部署名:丹波県民局 県民躍動室

電話:0795-72-0500

FAX:0795-72-3077

Eメール:tambakem@pref.hyogo.lg.jp