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これまでの熱中症対策に加え、兵庫の新たな生活様式「ひょうごスタイル」を踏まえた熱中症予防行動をまとめました。
そもそも人間の体は、暑い時には皮膚に多くの血液を分布し外気への放熱により体温を下げ、また汗をかくことによって体内の熱を逃がし体温を下げます。
この機能により体温を保っています。しかし熱生産と熱放散のバランスが崩れたとき熱中症が起こります。
高温環境下に長期間いたとき、またはいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性があります。
熱中症を油断してはいけません。熱中症は死に至る可能性のある病態です。
2022年6月20日~6月26日(速報値)における熱中症の救急搬送人員は200人です。
前年度の同時期と比較すると約3倍(2021年同時期は69人)となっています。
そのうち約3割(69人)の方が住居で発症しており、仕事場や屋外よりも多く熱中症を発症しています。
また約6割(115人)の方が高齢者です。
「屋内で日差しにあたらないから大丈夫」と油断してしまいがちですが、屋内でも屋外同様十分な注意が必要です。
エアコンなども上手に使い室内での熱中症対策も心がけましょう。
気温・湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、など体温を下げる機能を阻害する環境では熱中症が起こりやすくなります。
また高齢者や低栄養、下痢、感染症等で脱水気味の人も熱中症のリスクが上がります。
それ以外にも激しい運動や慣れない運動、長時間の屋外作業などの水分補給がしにくい状況は熱中症のリスクにつながります。
熱中症~思いあたることはありませんか?~(環境省リーフレット)(PDF:1,206KB)
比較的軽症なめまいや立ちくらみは「熱失神」・筋肉のこむろ返りといわれる「熱けいれん」。どちらも意識ははっきりしている状態です。
中等度に分類される「熱疲労」は全身の倦怠感、脱力、頭痛、吐き気、おう吐などの症状がみられます。
最も重症状態が「熱射病」とよばれ高体温に加えて意識障害がおこっている状態です。
分類 |
症状 |
症状からみた診断 |
---|---|---|
Ⅰ度 |
めまい・たちくらみ 意識はありますが、脳への血流が瞬時的に不充分になった状態です。 筋肉痛・筋肉硬直 筋肉の「こむら返り」のことで、その部分に痛みを伴います。 |
熱失神
熱けいれん |
Ⅱ度 |
頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感 体がぐったりする、力が入らない等があり、「いつもと様子が違う」程度のごく軽い意識障害を認めることがあります。 |
熱疲労 |
Ⅲ度 |
Ⅱ度の症状に加え、 呼びかけや刺激への反応がおかしい、体がガクガクとひきつけがある(全身けいれん)、真直ぐ走れない・歩けない等。 高体温 体に触ると熱いという感触です。 肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害 これらは、医療機関での採血により判明します。 |
熱射病 |
※日本救急医学会分類2015より
熱中症を疑った時は周りの人と協力して処置しましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、兵庫県では新たな生活様式「ひょうごスタイル」を実践しています。気温の高い日が続くこれからの時期に備えて、感染防止の基本である「マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保」「手洗いの励行」「3密(密集、密接、密閉)」を避けながら、新しい生活様式における熱中症予防行動のポイントをまとめましたので、熱中症には十分注意しましょう。
室内の温度・湿度をこまめに確認し、適切に管理しましょう。
外出時は熱い日や時間帯を避け、無理のない範囲で活動しましょう。その際、日傘や帽子を活用しましょう。
涼しい服装を心がけましょう。
感染症予防のため、冷房時でも換気扇や窓を開けるなどして換気しましょう。この場合室内温度が高くなるのでエアコンの温度設定をこまめに調節しましょう。
飛沫の拡散予防に有効で「ひょうごスタイル」でも感染対策の基本としてマスクの着用をお願いしています。ただし、マスクを着用していないときと比べると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、体に負担がかかることがあります。このため気温や湿度が高い中でのマスクの着用は十分に注意しましょう。
屋外で2メートル以上(十分な距離)離れているときは適宜マスクを外しましょう。
また公園での散歩やランニング、サイクリングなどの会話をほとんど行わない場合も適宜マスクを外して熱中症対策を行いましょう。
マスク着用時には激しい運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給をおこないましょう。
※屋内でも、2メートル以上(十分な距離)離れ、かつ会話をほとんど行わない場合は、マスクを着用する必要はありません。
暑い日は気づかないうちにじわじわと汗をかいています。また高齢になるとのどが渇きにくくなります。のどが渇く前に、こまめに水分補給をしましょう。
体調が悪いと感じたときは、すみやかに涼しい場所に移動して水分補給をしましょう。
激しい運動、作業を行ったとき、多くの汗をかいたときは、水分補給とともに塩分も忘れずに補給しましょう。
日頃から体温測定や健康チェックは感染症予防とともに熱中症予防にも有効です。実践しましょう。
体調が悪いと感じたときは、無理をせず自宅で静養しましょう。
暑くなり始めの時期から適度に運動(「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度)することを心がけ、暑さに慣れるようにしましょう。
熱中症になりやすい高齢者・子ども・障害者への目配り、声かけを心がけましょう。
熱中症は一人ひとりが正しい知識を持ち、行動すれば防ぐことができます。
暑い夏も適切な行動と選択で元気に過ごしましょう。
熱中症警戒アラートとは熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動を促すための情報です。
人の熱バランスに影響の大きな気温・湿度・輻射熱の3つを取り入れた暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)が33℃以上を予測すると発表されます。
熱中症警戒アラートは高い暑熱環境が予測される日の前日の夕方または当日の早朝に都道府県ごとに発表されます。
発表された日は特に注意が必要です。下記のような行動を心がけましょう。
熱中症警戒アラートが発表されていなくとも暑さ指数に応じた注意は必要です。
暑さ指数(WBGT) | 注意すべき生活活動の目安 | 日常生活における注意事項 |
---|---|---|
31℃以上 |
すべての生活活動でおこる危険性 |
高齢者においては安静状態でも発生する危険性がおおきい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
28~31℃ |
すべての生活活動でおこる危険性 |
外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 |
25~28℃ |
中等度以上の生活活動でおこる危険性 |
運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
21~25℃ |
強い生活活動でおこる危険性 |
一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
※日本生気象学会「日常生活ぶにおける熱中症予防指針Ver.3」(2013)より
下記の環境省のホームページより登録を行うとメールで熱中症警戒アラートを知ることができます。
環境省熱中症警戒アラートメール登録方法ページ(外部サイトへリンク)
または環境省の公式ラインアカウントを「友だち」追加するとメールと同様に熱中症警戒アラートを知ることができます。
ラインの「友だち追加」画面の「ID検索」より「環境省」または「@kankyo_jpn」と入力検索し友だち登録を行います。
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