更新日:2024年11月28日

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コウノトリが羽ばたく湿地を守るため高校生による生物調査

円山川下流域・周辺水田
赤枠内が登録エリア

総面積:1,094ha

コウノトリの野生復帰の舞台である豊岡市の円山川下流域と人工湿地、水田は県内で唯一、水鳥の生息地として保全・活用する国際条約「ラムサール条約※」に登録されています。NPO法人コウノトリ市民研究所の上田尚志さんは登録翌年の2013(平成25)年から、高校生を対象にした湿地の生物調査の講師を務めています。(取材・文 本紙編集部)

  • Q.なぜ講師を務めることに。
    当時、市内では小学生向けの自然学習が充実していたので、高校の生物部等にも活動の場を提供したいと考えたからです。
  • Q.年間の実施回数と内容は。
    本年度は4回。5月と9月は田結湿地、7月は戸島湿地で水生生物の種類や個体数を調査し、11月は湿地内のポイントで冬鳥を観察します。
  • Q.戸島湿地と田結湿地の生き物の特徴は。
    汽水域の戸島湿地にはスズキやサヨリといった日本海の魚が入ってきます。ウシガエルやミシシッピアカミミガメなどの外来種も多いです。一方、かつて水田だった田結湿地はアユカケやミミズハゼなど在来種が中心です。
  • Q.高校生の様子は。
    生物に興味がある生徒たちなので、表情も動きも生き生きとしています。教科書には載っていない、実際の自然から得られる“生きた知識”を養ってほしいです。地域の自然に理解を深め、将来の研究者や保護活動のリーダーに育ってくれたらうれしいですね。

戸島湿地での調査の様子。腰まで水につかりながら生き物を探します。

湿地はコウノトリの餌場としての機能も十分に果たしています。

 

※ラムサール条約とは
正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する国際条約」で、1971(昭和46)年にイランのラムサールで採択されました。「円山川下流域・周辺水田」は2012年、コウノトリ野生復帰の取り組みと豊かな自然が評価され、登録されました。

お問い合わせ:兵庫県広報広聴課(電話078-362-3019、FAX078-362-3903)旬トピ!TIMELY TOPICS IN HYOGO