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「戦時下の神戸、奇妙な国際ホテル。エジプト人がホラを吹き、ドイツ水兵が恋をする」
西東三鬼の小説「神戸・続神戸」の紹介文。
職場の先輩に勧められ読んだ「神戸・続神戸」は、西東三鬼が実際に住んでいた戦時下の神戸の様子が如実に伝わってきます。港町神戸のとあるホテルに集まった多国籍の人々が織りなす人間模様は、そこが日本とは思えない猥雑で混沌とした中にあっても、不思議と調和が保たれていて、当時のコスモポリタンな神戸の気質が感じ取れます。
1868年に神戸港が開港して155年、その21年後の1889年に神戸市が誕生して134年。戦後や震災からの復興を経た神戸は、国際色の豊かさは残しつつ、今後どうなっていくのか、どうなってほしいのか。
神戸県民センターでは、昨年度「神戸地域ビジョン2050」を策定しました。神戸地域が目指す将来像を2年間かけて、地域団体や若者、県民の方々と意見交換しながら、30年後のなりたい姿を思い描いた中長期的な地域づくりの指針です。
それぞれの意見を集約したコンセプトが「みんなの希望にフィットするまち・神戸」で、その実現のための取組の一つに「歴史と文化を未来につなげる」というのがあります。県民の方からは「神戸港開港150年を迎えて、少しずつ歴史を語ることができる段階になってきており、歴史を振り返る機会を作っていくべき」との意見がありました。
地域の未来を考える上で、その地域の歴史を知ることはとても重要です。神戸の街が出てくる小説は多くあり、講演等で歴史を学ぶ機会もあります。現在の神戸がどのように形成されてきたのか、私自身も学んでいきたいと思っています。
3月4日(土)には、昨年11月にフルオープンした県立兵庫津ミュージアムにおいて「神戸地域ビジョンフォーラム」を開催します。
兵庫津ミュージアムの名誉館長である田辺眞人先生から「文化と歴史を活かした神戸のまちづくり」についての講演があり、第2部では、神戸地域で活動されている団体や神戸市内の学生による座談会も予定されています。
皆さんが望む神戸の未来はどのようなものですか。一緒に考えてみませんか。
令和5年3月1日
兵庫県神戸県民センター長
大久保 和代
≪以下に「過去の神戸県民センター長メッセージ」のリンク先を掲載しています。≫
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