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6月5日は、「六甲(65)山の日」。毎年この時期は、六甲山の夏山開きである「グルーム祭」(六甲山を開拓したイギリスの貿易商アーサー・H・グルーム氏を称える祭)をはじめ、六甲・摩耶山上施設が一丸となって多彩なイベントを繰り広げます。
近年は、六甲山登山を観光資源にする動きも活発化し、布引周辺では、外国人観光客が登山を楽しむ姿をよく見かけます。レクリエーションの場として親しまれている六甲山ですが、過去からたびたび災害に見舞われてきました。
江戸時代には、六甲山の木々は燃料(薪や炭)とするために過剰に切られ、山の地肌が見えていました。明治14年(1881)に神戸を訪れた植物学者 牧野富太郎(現在放映中のNHK朝ドラ「らんまん」の主人公)が、六甲山のはげ山を見て「雪が積もっているのかと思った」と表現したのは有名な話。
これらに加え、地形が急峻で風化の激しい花崗岩でおおわれているため、大雨による土砂災害等が起こりやすくなっています。
昭和13年(1938)7月の阪神大水害では、600名以上の方が亡くなり、神戸の市街地は壊滅的な被害を受けました。この災害を契機に国の六甲砂防事務所が設置され、本格的な砂防工事が進められました。
その後も昭和36年(1961)6月、昭和42年(1967)7月の豪雨により山崩れが発生し、多くの命が奪われました。昭和42年の豪雨災害のあと、兵庫県は、六甲治山事務所を設置し、山の復旧事業に取り組みます。
六甲山には、国、県、市併せて約2,200基の治山ダム(1,600基)や砂防ダム(600基)が造られ、災害を未然に防いでいます。
6月は「土砂災害防止月間」です。神戸県民センター六甲治山事務所では、6/13~7/12の期間、県立六甲山ビジターセンターで「六甲山の治山対策展」としてパネル展示を、また、8/15~8/27の期間は、県立人と防災未来センターで「六甲山の災害展」を開催し、土石流実験装置等で実演も行います。
六甲山は、都市山として様々な恩恵を私たちに与えてくれる一方、危険も潜んでいます。この機会に、災害の歴史を振り返り、今一度災害への意識を高めていただければ幸いです。
令和5年6月1日
兵庫県神戸県民センター長
大久保 和代
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