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全国で最も多い2万2千のため池がある兵庫県。中でも加古郡稲美町には、県内最大の加古大池や県内最古の天満大池などのため池群があり、先日、加古大池を訪れましたが、その大きさにビックリ。改めて、ため池の多さにも驚かされましたが、この景色を形作った背景に神戸が深くかかわってきたことをご存じでしょうか。
記録によると、明治時代以降、“いなみ野”台地を灌漑する淡河川・山田川疏水(淡山疏水)に代表される水利開発により、日本有数のため池密集地域になったとあります。疏水とは、農業など利水のために切り開いた水路のことです。
淡山疏水は、古くから農業用水の確保に悩まされていた“いなみ野”台地に農業用水を届けるため、明治、大正期に造られました。淡河川疏水は延長26.3㎞、山田川疏水は延長11㎞で、練部屋分水所(神戸市西区)に集まった水は、そこで5方向に分水され、“いなみ野”台地全体に水を行き渡らせています。
御坂サイフォン橋(三木市)※写真奥がめがね橋 |
昨年、淡河川頭首工(神戸市北区)から、めがね橋とも称される御坂サイフォン橋(三木市)を通り、練部屋分水所までの水の路を辿りました。各施設とも先人の苦労と知恵が凝縮されており、ポイントポイントで解説が加わると、その施設が私たちに色々語り掛けてくれます。
その土地の歴史を知り、先人が築き上げた財産として後世に伝えていく必要があります。
練部屋分水所(神戸市西区) |
神戸県民センターでは、歴史遺産を活かした賑わいづくりの一環として、「淡山疏水の偉業を伝える」事業に取り組み、淡山疏水に関係のある地域の小学生の施設見学会や、親子現地学習会などを支援しています。
これらの取組が地域の賑わいとともに子供たちの郷土を思う愛着と誇りにつながればと願っています。
皆様も機会があれば、ぜひ、淡山疏水施設を訪れてみてください。
令和5年8月1日
兵庫県神戸県民センター長
大久保 和代
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