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9区からなり、色んな顔を持つ神戸。その知名度は抜群で、兵庫は知らなくても神戸は知っているという人は多い。私自身も学生の頃、他県の人から出身を聞かれると、「神戸のほう」と答えていた。その答えを聞いた人たちは一様に「おしゃれな街でいいですね」との反応が返ってくる。それくらいKOBEは全国的にイメージが定着している。
でも、当然のことながら、神戸を一つのイメージで語るには無理がある。
今年4月に神戸県民センターに着任以降、市内9区を回って、区民の方々と意見交換を行ってきたが、9区9様で同じ市とは思えないくらい個性豊か。
例えば「ディープなまち」として語られる兵庫区の「湊川・新開地」は、昭和の香りが色濃く残るエリア。
その名の通り、新開地は、明治38年に旧湊川の河川跡に新しく開発された街。旧湊川は、六甲山からの土砂が堆積することで川底が周囲の地面よりも高い位置にある天井川であったため、新開地商店街から湊川公園にかけては、周囲よりも高く、湊川公園の下には道路が走っている。
新開地は、大正から昭和初期にかけての全盛期には、20以上の劇場が立ち並び、「東の浅草、西の新開地」と称されるほど、多くの人で賑わった一大歓楽街。
かつての賑わいを少しでも取り戻したいと、平成30年に上方落語の定席「神戸新開地・喜楽館」がオープンし、今年、開館満4年を迎える。入口に、ビリケンさんならぬ「メリケンさん」像を設置し、観客を笑顔で迎えてくれる。
また、湊川公園の周辺には、北へ伸びる約1㎞の間に3つの市場と2つの商店街からなる「神戸新鮮市」があり、約500店舗が軒を並べ、お店とお客の距離がとても近い懐かしい空間を作り出している。
先日、このエリアをこよなく愛する人たちによる「湊川・新開地まち歩き」に参加し、地元の人しか知らないであろうスポットに連れて行ってもらった。
噂どおりのディープで人情味あふれるまちで、ぜひ、一度は訪ねてほしい。
これからも、独断にはなるが、各区の見どころを紹介していきたい。
令和4年8月1日
兵庫県神戸県民センター長
大久保 和代
≪以下に「過去の神戸県民センター長メッセージ」のリンク先を掲載しています。≫
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