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平成7年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災は、神戸、阪神間、淡路に未曾有の被害をもたらし、明治期以来、日本の三大都市圏の一つとして発展してきた神戸、阪神間の市街地の大半が一瞬にして壊滅的な被害を受けました。兵庫県においては、面的に壊滅的な被害を受けたこれら市街地の早期再生を図るとともに、震災時の教訓から、「災害に強いまちづくり」を行うため、被災各市とともに、被災市街地の計画的な面的整備を進めることとしました。
一方、国においては、平成7年2月、従来の制度では対応しきれない市街地の被害の甚大さを踏まえ、阪神・淡路大震災に伴う緊急立法の一つとして、基本的な特例措置を盛り込んだ災害時の都市計画制度ともいうべき、「被災市街地復興特別措置法」が制定されました。この中で、大規模な火災、震災その他の災害を受けた市街地について緊急に復興を図るために市街地の整備改善を推進する「被災市街地復興推進地域」制度が新しく都市計画制度として創設されました。
これを受けて、兵庫県では、震災から2か月後の平成7年3月17日、市街地再開発事業を6地区、土地区画整理事業を10地区(その後平成7年8月に1地区追加)、被災市街地復興推進地域の指定とあわせて都市計画決定し、震災復興事業として推進することとしました。また、平成7年7月に策定した「阪神・淡路震災復興計画(ひょうごフェニックス計画)」においては、被災地での住宅供給の観点から、震災復興の市街地再開発事業6地区にあわせて推進すべき事業(震災以前から着手済み等)を復興関連事業に位置付け、実施しました。
震災復興の市街地再開発事業では、短期間での地元合意形成、被災者の生活再建等の、平時の事業にはない多くの困難な問題に直面しました。このような局面を打破し、問題を解決するべく各地区で住民による「まちづくり協議会」が組織され、事業に対する検討や提案が活発になされました。
震災復興の市街地再開発事業は、令和6年11月12日新長田駅南地区腕塚5第3工区の建築工事完了公告をもって、事業が完了しました。
震災復興の市街地再開発事業6地区は、神戸市における新長田駅南地区(20.1ヘクタール)、六甲道駅南地区(5.9ヘクタール)、西宮市における西宮北口駅北東地区(3.3ヘクタール)、宝塚市における宝塚駅前地区第2工区(花のみち周辺地区)(0.9ヘクタール)、売布神社駅前地区(1.6ヘクタール)、仁川駅前地区(1.6ヘクタール)です。これらの地区は、震災の甚大な市街地のうち、駅前や副都心等の都市の枢要な機能を担い、道路や駅前広場などの都市基盤とともに建築物の整備も一体的に行うべき地区です。
神戸市においては、神戸市の東西の副都心に位置付けられているJR六甲道駅と新長田駅のそれぞれ南側駅前地区で、事業を実施することとしました。これらの地区は、隣接する土地区画整理事業とあわせて、市街地の復興と都市基盤の整備を行う計画で、新長田駅南地区が20.1ヘクタールの面積を有するなど、かなり大規模な区域を地区割りして順次整備を行う方式で、従来の駅前再開発型の事業とは趣を異にするものとなります。
一方、阪神間においては、阪神間の交通の結節点や生活拠点となる駅前の地区について、事業を実施することとしました。これらの地区では、たとえば西宮北口駅北東地区や売布神社駅前地区のように、すでに再開発準備組合が結成されていたなど、震災前から長年、再開発に向けて検討を重ねてきたものが、震災での壊滅的な被害をきっかけに、復興という新たな目的を加えて緊急に事業化を果たした地区も多くあります。また、阪神間では、宝塚駅前地区第2工区(花のみち周辺地区)を除き、組合施行の事業を検討していましたが、被災が深刻なため、住民による組合施行は困難であると判断し、(旧)住宅・都市整備公団に要請して公団施行で実施することとしました。
下記の表の地区名をクリックすると各地区概要の詳細が確認できます。
|
都市名 |
地区名 |
施行者 |
面積 |
事業完了年度 |
所管局 |
備考 |
||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | B | C | ||||||
|
神戸市 |
市 |
5.90 |
平成17年度 |
都市 | 〇 | 〇 | 〇 | |
|
市 |
19.89 |
令和6年度 |
都市 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
|
市 |
3.18 |
平成14年度 |
都市 | 〇 | ||||
|
市 |
1.96 |
平成13年度 |
都市 | 〇 | ||||
|
市 |
1.46 |
平成12年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
市 |
0.72 |
平成12年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
0.64 |
平成15年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
0.54 |
平成12年度 |
都市 | 〇 | ||||
|
組合 |
0.90 |
平成14年度 |
住宅 | 〇 | 〇 | |||
|
都市公団 |
1.39 |
平成11年度 |
住宅 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
0.23 |
平成12年度 |
住宅 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
0.28 |
平成11年度 |
住宅 | 〇 | ||||
|
組合 |
0.57 |
平成13年度 |
住宅 | 〇 | ||||
|
組合 |
0.82 |
平成15年度 |
住宅 | 〇 | ||||
|
尼崎市 |
県・公社 |
1.45 |
平成9年度 |
都市 | 〇 | |||
|
都市公団 |
3.63 |
平成11年度 |
都市 | 〇 | ||||
|
組合 |
2.18 |
平成12年度 |
都市 | 〇 | ||||
|
市 |
0.90 |
平成14年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
西宮市 |
都市公団 |
3.35 |
平成14年度 |
都市 | 〇 | 〇 | 〇 | |
|
組合 |
1.45 |
平成11年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
3.27 |
平成13年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
0.45 |
平成13年度 |
住宅 | 〇 | 〇 | |||
|
組合 |
0.51 |
平成16年度 |
住宅 | 〇 | ||||
|
伊丹市 |
市 |
2.05 |
平成12年度 |
都市 | 〇 | |||
|
川西市 |
組合 |
0.30 |
平成14年度 |
都市 | 〇 | 〇 | ||
|
宝塚市 |
市 |
0.88 |
平成12年度 |
都市 | 〇 | 〇 | 〇 | |
|
都市公団 |
1.56 |
平成11年度 |
都市 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
|
都市公団 |
1.64 |
平成14年度 |
都市 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
|
組合 |
0.57 |
平成10年度 |
都市 | 〇 | 〇 | |||
|
明石市 |
組合 |
1.67 |
平成18年度 |
住宅 | 〇 | 〇 | ||
【備考欄について】
A:被災市街地復興推進地域内…「被災市街地復興推進地域」として都市計画決定された地域内での事業(平成7年3月17日決定)
B:災害復興市街地再開発事業…略して災害復興事業で国費補助割合が3分の1から5分の2に変更されたもの
C:復興関連事業…阪神・淡路震災復興計画(平成7年7月兵庫県策定)に定める事業
阪神・淡路大震災においては、神戸市、阪神間の市街地のおびただしい数の建物が倒壊または焼失しました。これら民間住宅の再建に対する支援策は、被災者の生活再建、被災地の早期復興の観点から、とりわけ重要な位置を占めています。兵庫県においては、「阪神・淡路震災復興計画(ひょうごフェニックス計画)」や「ひょうご住宅復興3カ年計画」において、民間住宅の再建に対し、各種の支援策を講じることとしました。その主な施策は、優良建築物等整備事業等による一定の要件を満たす民間住宅再建事業への建設費補助と、阪神・淡路大震災復興基金による住宅融資に対する利子補給です。優良建築物等整備事業については、国においても、阪神・淡路大震災における民間住宅の再建支援策として、積極的な活用を図ることとされ、面積等採択要件の緩和、補助対象の拡充、災害時かさ上げ補助率の適用等の特例措置が実施されました。
兵庫県においては、震災前まで優良建築物等整備事業の実施経験のない市も含め、関係市と連携し事業を実施することとしました。その結果、優良建築物等整備事業による補助は、146地区で震災復興事業として事業を実施しました。
震災復興地区における優良建築物等整備事業の主な内容は、震災復興事業の約7割(96地区)が被災マンションの再建、約2割(40地区)が共同化による再建であり、これらは震災復興の特徴をよく物語っています。
また、神戸三宮の都心で県民に親しまれてきた神戸国際会館、旧居留地において歴史的建築物の外壁を保存する海岸ビル等の再建事業(5地区)のほか、西宮市等4市における兵庫県住宅供給公社による住宅供給事業等(5地区)においても、震災復興の優良建築物等整備事業を適用しています。
また、小規模共同建替等事業(国の補助制度の対象とならない共同建替等に対する補助で、復興基金によるもの)が37地区で実施されました。
震災復興地区では、それぞれの状況に応じておおむね以下の方式による再建が行われています。
|
再建方式 |
再建方式の概要 |
マンション再建 | 共同化再建 | その他 | |
|---|---|---|---|---|---|
|
土地の権利移転等を伴わない方式 |
自主再建 |
土地所有者が自ら資金調達、工事契約等一切を行う。 |
22 |
7 | 3 |
|
事業代行 |
土地の権利を移さず、ディベロッパーに再建にかかる計画、工事契約を委託し、完成後に建物を購入する。 |
16 | 0 | 1 | |
|
抵当権行使等による事業中断リスクを回避するため土地の所有権を一時移転する方式 |
全部譲渡 |
ディベロッパーが再建事業主体となり、土地全部をいったんディベロッパーに売却、ディベロッパーが建設し、完成後に土地及び建物を購入。 |
48 | 31 | 1 |
|
部分譲渡 |
土地の一部を、ディベロッパーに売却し、ディベロッパーが建設、完成後に土地及び建物を購入。 |
2 | 1 | 0 | |
|
定期借地権 |
土地を全部いったんディベロッパーに売却する点は全部譲渡と同じ、完成後に土地の所有権ではなく定期借地権を購入する。 |
2 | 1 | 0 | |
|
上記に準じて、土地の権利を保全しつつ事業を行う方式 |
地上権設定 |
ディベロッパーが土地の抵当権者の同意を得て土地に地上権(登記上第一位)を設定、抵当権行使による事業中断のリスクを回避しつつ、建設、完成後建物のみを購入。 |
5 | 0 | 0 |
|
土地信託 |
土地を信託銀行、銀行が建設し、期間満了時に清算とともに土地、建物を受け取る。 |
1 | 0 | 0 | |
| 合計 | 96 | 40 | 5 | ||
震災で大きくクローズアップされた問題の一つに、被災マンションの再建問題があります。被災マンションの再建においては、当初、合意形成のむずかしさ、既存不適格の問題、抵当権処理の問題等が指摘され、事業の困難性が協調されました。
これに対し、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の制定、震災型総合設計制度の創設、住宅供給公社による支援、コンサルタント派遣等、種々の支援策がとられました。
これらの支援策とともに、優良建築物等整備事業が積極的に活用され、再建事業に大きく寄与し、被災マンション172地区中、96地区で優良建築物等整備事業により再建が完了しています。
震災により露呈されたもう一つの問題に、狭小住宅や接道不良などにより再建がむずかしい地区が存在することがあります。このような地区の再建や市場の再建等に際し、共同化による住宅再建が進められました。
40地区で優良建築物等整備事業により再建が完了しています。
震災復興の市街地再開発事業の区域には、住宅市街地総合整備事業を重ねて指定し、震災復興事業に先がけて「受け皿住宅」を整備するなど、多様な手法により事業の推進を図っています。
下記の表の地区名をクリックすると各地区概要の詳細が確認できます。
|
震災復興地区名 |
地区名 |
面積 (ヘクタール) |
事業期間 |
|---|---|---|---|
|
神戸市震災復興地区 |
83.5 |
昭和60年度~平成20年度 |
|
|
35.6 |
平成元年度~平成17年度 |
||
|
296.7 |
平成6年度~平成18年度 |
||
|
168.1 |
平成6年度~平成21年度 |
||
|
25.9 |
平成6年度~平成17年度 |
||
|
29.1 |
平成6年度~平成18年度 |
||
|
259.7 |
平成4年度~平成22年度 |
||
|
尼崎市震災復興地区 |
70.9 |
平成6年度~平成17年度 |
|
|
宝塚市震災復興地区 |
16.3 |
平成7年度~平成15年度 |
|
|
64.1 |
平成7年度~事業中 |
||
|
西宮市震災復興地区 |
99.4 |
平成7年度~平成15年度 |
|
|
34.6 |
平成6年度~平成15年度 |
||
|
芦屋市震災復興地区 |
22.2 |
平成7年度~平成16年度 |
|
|
30.2 |
平成6年度~平成16年度 |
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