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神戸の冬を彩る風物詩といえば「神戸ルミナリエ」。
「ルミナリエ」とは、イタリア語で光の装飾という意味で、イタリア南部地方を中心に、主に春から秋にかけて行われるカトリック教会の行事に由来する催事です。
「神戸ルミナリエ」は、阪神・淡路大震災が起こった1995年の12月に犠牲者の鎮魂と神戸のまちの復興・再生の願いを込めて旧居留地で開催されたのがはじまりで、その資材は、本場イタリアの工房で調達し、船便で神戸に運び、イタリア職人と日本人スタッフにより約1か月かけて組み立てて、会場に設置されます。
私も、1回目の「神戸ルミナリエ」に家族で参加しましたが、アーチ状の作品が通りに折り重なり、光の芸術と呼べるその美しさに息をのんだことを昨日のように覚えています。
震災当時は西舞子に住んでおり、周辺の震災被害も大きかったので、それまでの暗い色世界と光輝く明るい色世界のコントラストが余計に眩しかったのだと思います。
それ以降、毎年12月に連続25回開催され、毎回数百万人が訪れていましたが、2020年以降は、コロナ禍により2年連続で中止、代替イベントとなっており、今年こそはと関係団体とともに開催に向けて取り組んできました。しかし、今年もコロナの感染状況が見通せない中で、やむなく中止となってしまいました。
今年の代替イベントは、市内4カ所でのルミナリエ作品「ロッソーネ(バラ窓)」の分散展示だけでなく、「神戸ルミナリエ」のメイン作品である「カッサアルモニカ(音楽の家)」を東遊園地に展示し、コンサートステージとして、希望の光と癒しの音楽をお届けします。
期間は、12月9日(金)~12月18日(日)の10日間で、開催初日の9日(金)は、神戸市立桂木小学校Happy合唱団(NHK全国学校音楽コンクール近畿ブロック大会金賞受賞)による「しあわせ運べるように」の合唱があります。期間中は、日替わりでジャズなどの演奏が行われますので、夕刻の時間、光と音楽のコラボをぜひお楽しみください。
四半世紀にわたり神戸の街を彩ってきた「神戸ルミナリエ」、鎮魂とともに、来年こそは本格開催ができることも願って祈りを捧げたいと思います。
令和4年12月1日
兵庫県神戸県民センター長
大久保 和代
≪以下に「過去の神戸県民センター長メッセージ」のリンク先を掲載しています。≫
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