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丹波地域では、平成20年7月に地域景観マスタープランを策定しました。
計画対象区域は、篠山市、丹波市の全域です。
丹波地域の地域景観イメージ |
【 丹波地域の景観形成の目標 】 丹波地域の景観は、山並に囲まれて続く谷筋や盆地を骨格として、緑豊かな自然に囲まれた「ふるさと的農村景観」である。 この景観は、山や川、農地、集落、まち、木々などの良好なバランスのもとに創り上げられてきたものであり、先人の知恵によって築き上げられた独自の生活文化が息づいている。 県土の上流地帯であり、大都市近郊の農村地帯でもある丹波地域の景観を県民共有の財産として将来世代へと守り育てていくとともに、丹波の森宣言の精神に則り、景観形成に係る多様な主体が協働して、丹波らしさを創出、発信していくための景観形成を目指す。 |
『地域景観の約束』は、丹波らしい一体的な地域景観を形成していくため、県民、事業者、市町、県といった景観形成の各主体が共有すべき景観形成方針であり、県民・事業者による地域景観づくりへの取組、行政による公共事業や各部局における関連計画の策定など、今後の新たな景観施策や取組にあたって配慮・参照すべき事項です。
『地域景観の約束』は、「基本原則」「基本方針」「個別方針(デザインランゲージ)」から構成されています。
「基本原則」: 地域景観形成を進めていく上での基本的に重要となる視点(景観認識の軸) 「基本方針」: 3つの基本原則のもとに、地域景観の特徴別の景観づくりの方向性を示す(基本原則を構成する景観要素を文言で表現) 「個別方針(デザインランゲージ)」: 基本方針を具体化した地域景観の特徴を示すものであり、地域景観づくりを担う各主体が行動する際に参照すべき言語集(基本方針をワンフレーズで表現) |
基本原則 |
基本方針 |
個別方針 (デザインランゲージ) |
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「場所」 (場の認識に関する基本原則) |
わたしたちは、自然、文化、歴史など地域の個性を認識し大切にします |
山岳や河川を神聖化した修験や祭りなどの自然への畏敬を大切に受け継ぐ。 |
自然への畏敬 |
孤立峰的山地となるカエデ葉状に張り出した尾根形状・稜線を保全する。 |
カエデ葉状の尾根 |
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屏風状に連なる山並み、平坦な農地が広がる盆地といった地形的特徴を感じることのできる景観形成を進める。 |
“谿間(タニマ)”の “田庭(タニワ)” |
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庭木や巨樹、社叢林など一本一本の木を大切にした景観形成を進める。 |
一本の木から |
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恐竜化石や近世町並みなどの歴史を経たものの価値を重んじると共に将来世代を考えた景観形成を進める。 |
太古から未来へ |
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「ひと」 (人の営みに関する基本原則) |
わたしたちは、人の繋がりや活動が織りなす美しい景観を将来世代に受け継いでいきます |
丹波焼や黒豆等の自然環境を活かした食と器の地場産業を感じられる景観づくりを進める。 |
食と器の地場産業 |
洪水を避ける集落立地や社寺配置、集落の空間構造など、先人の教えを大切にし、次世代に受け継ぐ。 |
集落の教え |
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近代まで継承されてきた旧荘園領域の郷的な結びつきを活かしつつ、新しい景観づくりを進める。 |
郷的結びつき |
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多様な農産物とそれらを介した人々の活動が創り出す表情豊かな景観を守り育てる。 |
「農(みのり)」 の風景 |
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人々が働き、遊び、暮らすことにより、「ひと」の気配を感じられる活き活きとした景観づくりを進める。 |
人が演出家 |
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「調和」
(場と場の均衡場と人の関わりに関する基本原則) |
わたしたちは、納まりやスケールなどの場と場の均衡、場と人の関わりに配慮します |
周囲の山々への眺め、山々からの眺めを重視した景観づくりを進める。 |
国見と山見 |
地形的特徴や土地利用の違いなどが創り出す天空率の変化を意識した景観づくりを進める。 |
天空変化 |
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建物細部や身近な草花から、開けた農地と山並みによる大景観まで、各々のスケールに応じた景観づくりを進める。 |
ほどよい大きさ |
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ヤマ、ムラ・マチ、ノラの土地利用の際(きわ)を大切にした景観づくりを進める。 |
美しい際(きわ) |
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自然に即し、自然を活用し、自然とともにある景観を大切にし、丹波地域らしい自然景観づくりを進める。 |
大地に根ざす |
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過度な装飾を施すのではなく、余分なものを省くことから景観形成をはじめる。 |
省きの美 |
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地形的特徴や樹林の配置などによる見え隠れの構造を活かした魅力的な景観づくりを進める。 |
見え隠れ |
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サイノ神や峠、段丘斜面林などの景観のアクセントとなる「節目」を意識した景観づくりを進める。 |
節目 |
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季節による山林や農地などの丹波特有の色彩の変化を美しく感じられる景観づくりを進める。 |
たんば色 |
各個別方針(デザインランゲージ)には、その個別方針の解説・必要な視点などを説明した「個別方針説明シート(デザインランゲージシート)」を別途添付しています。
地域景観形成の拠点となる区域のタイプ別の分布 |
地域景観形成の拠点となる区域は、地域景観づくりに係る各主体が重点的に地域景観づくりに取り組む区域であり、「重点地区」と「重点軸」の<2種類の区域を設定します。
「重点地区」
「重点軸」
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タイプ区分 |
景観形成施策の方針 |
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保全型 |
まちなみ タイプ |
歴史的景観形成地区指定、建築物の修景助成等により、まちなみの保全・形成を推進するとともに、文化財指定、重伝建地区指定に係る文化財施策等との連携を図る。 |
田園タイプ |
緑条例に基づく計画整備地区の認定等により、土地利用計画の策定、景観形成を推進するとともに、農村活性化、農地保全に係る農業施策等との連携を図る。 |
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眺望タイプ |
視点場からの眺望区域内の自然景観を保全し、景観阻害要素の排除に努めるとともに、良好な景観を享受できる場としての整備を進める。 |
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創出型 |
周辺の自然景観と調和した開発・事業を推進・誘導していくとともに、住民参加プログラムや住民活動に対して積極的な支援を行い、良好な景観を享受できる場としての整備を進める。 |
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修復型 |
沿道景観形成地区の指定、広告物条例の規制適正化による広告物の整序等を推進し、地域の顔となる景観整備を図る。 |
タイプ区分 |
景観形成施策の方針 |
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河川景観軸 |
治水との整合を図りつつ、周辺景観と調和した良好な景観を享受できる場として整備を進める。 |
風景街道軸 |
風景形成地域、沿道景観形成地区の指定等により、沿道の景観保全・形成を推進するとともに、道路整備事業等の道路施策との連携を図る。 |
歴史景観軸 |
広告物の整序等により歴史の面影を修景・修復するとともに、道路整備事業等の道路施策との連携を図る。 |
景観形成は住民が主人公となって進めることが基本となりますが、県や市の行政主体、住民、事業者の各主体が力を合わせて、自らの情熱と英知をかたむけていくことによって初めて実現できる協同的創造行為でもあります。各主体がそれぞれの立場でその責務を認識して県下の景観の形成に努めていく必要があります。
「地域景観の目標」の共有のもと、「地域景観の約束」を活用することにより、主体間で連携し、地域景観づくりを進めていくことが望まれます。
関連リンク
お問い合わせ
部署名:県土整備部まちづくり局都市政策課景観形成室
電話:078-362-9299
FAX:078-362-9487
Eメール:keikankesei@pref.hyogo.lg.jp