マダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に注意しましょう
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
- SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する病気です。2011年頃に中国で報告され、国内では、2013年1月に山口県で初めての患者が報告されました。同年に兵庫県で初めてとなる患者が但馬地域で報告されました。
- マダニは、衣類や寝具、食品など家庭内に生息するダニ(0.5ミリ)とは全く種類が異なります。マダニ類は、比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)で硬い外皮に覆われ、森林や草むら、やぶ、畑などに生息しています。
- SFTSウイルスに感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、時に頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こします。
- SFTSに直接有効な薬剤やワクチン等はなく、症状に応じた対症療法が主体となります。
ダニに咬まれないために~予防のポイント~
マダニは春から秋にかけて活動が活発になります。山や草むらでの作業時には、以下のことに注意しましょう。
- 山や野原の他、公園、住宅地の庭などにもマダニがいることがありますので、剪定や草取り等の際には要注意。
- 作業服は明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)や化学繊維素材(マダニがつきにくい)がおすすめです。
- .森林や草むら、やぶ、畑などに入るときは、長袖、長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる)、足を完全に覆う靴・靴下、帽子、手袋を着用し、肌の露出をなるべく少なくしてください。
- .市販の防虫スプレーは使用方法をよく読んでから使用しましょう。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、一定の効果があるとされています。用法、用量を守って使用して下さい。
- .屋外活動後はすぐに入浴し、わきの下、足の付け根、手首、膝のうら、胸の下、頭部(髪の毛の中)などマダニに咬まれていないか確認してください。帰宅後すぐに着替えたり、体をシャワーで洗い流すと有効です。
ダニに刺されたら
マダニに刺されても痛みがなく、気がつかない場合が多いとされています。
人や動物に取りつくと皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日~10日間以上)吸血しており、吸血中のマダニに気がついた場合、無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液が逆流す
る恐れがあるので、医療機関で処置(マダニの除去、洗浄等)をしてもらってください。
マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱、食欲低下、嘔吐、下痢等の症状があった時
には医療機関で診察を受けてください。
日本国内の主なダニ媒介性感染症
- 日本紅斑熱:日本紅斑熱リケッチアによる感染症でマダニ類に咬まれることで感染します。咬まれて2~8日頃から頭痛、倦怠感、高熱等で発症します。主に西日本で見られます。
- つつが虫病:つつが虫病リケッチアによる感染症でツツガムシに咬まれ5~14日の潜伏期の後に、全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症します。咬口は皮膚の柔らかい隠れた部分に多く、発症後には不定型の発疹が出現します。重症になると肺炎や脳炎症状を来たします。全国で発生が見られます。
- ライム病:病原体はボレリア属菌で、媒介するのは主にシュルツェマダニです。症状は、初期には遊走性紅斑(マダニに刺された部分から遠心性に紅斑が拡大する)や発熱、後に様々な神経症状等を示します。北海道や本州中部以北での発生が主です。
関連リンク
(豊岡健康福祉事務所)感染症トップページ
兵庫県暮らし・環境のページ
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(厚生労働省ホームページ)(外部サイトへリンク)
重症熱性血小板症候群(SFTS)について(厚生労働省)(外部サイトへリンク)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは(国立感染症研究所)(外部サイトへリンク)
リーフレット「マダニから身を守ろう」(豊岡健康福祉所)(PDF:6,524KB)
「マダニ対策、今できること」(国立感染症研究所パンフレット)(外部サイトへリンク)