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更新日:2024年7月17日

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令和6年7月センター長だより(神戸県民センター長 内藤 良介)

皆さんこんにちは、神戸県民センター長の内藤 良介(ないとう りょうすけ)です。
今回は、喜楽館をはじめとする新開地の賑わいづくり、そして周辺の回遊性についてお話しさせていただきます。

ええとこ ええとこ 喜楽館、ええとこ ええとこ 新開地

今月、新開地の喜楽館が6周年を迎えました。

遡ること10年前、かつて「東の浅草、西の新開地」と呼ばれ国内有数の歓楽街であったこの地にもう一度、寄席を! 2014年、商店街若手の熱い思いに応えられた上方落語協会と地元の協議がスタートしました。開場までの道のりは遠く、途中、一度は断念せざるを得ない状況となりましたが、県・神戸市も含めた4者による検討再開を経て、4年後の2018年7月11日に喜楽館は誕生しました。1976年の神戸松竹座閉館から実に40年ぶりの演劇場復活。以来、これまで20万人以上のお客さんを笑わせています。

喜楽館入口写真 喜楽館舞台写真

館に入るとすぐ目に飛び込んでくるのが、高座の上に掲げられている「喜」の文字。喜楽館設立にご尽力いただいた 桂 文枝 喜楽館名誉館長がお書きになったものです。寄席に行くとよく噺家さんから教えていただくのですが、字そのものが笑顔に見え、一筆一筆は縁起を担いで右肩上がりになっています。

私は落語に詳しいわけではありませんが、開館以来、ちょくちょく気楽にお伺いしています。昼席は14時から2時間あまり。13時30分になると商店街の喜楽館入口で会場を知らせる一番太鼓が鳴り渡り、それだけを楽しむ通行人もいらっしゃいます。帰り際、噺家さんに見送られて外に出るとほっこりした気分になっています。このなんとも言えない「のんびり感」の味わいがたまらなく好きで、通でもないのに落語を時々聴きに行っている気がします。

この感覚は、支配人の伊藤史隆さんのお話を聞いて合点がいきました。視覚に訴える新しい笑いとは違い、〔落語は、人の想像力の豊かさで笑うもの。不便な芸は素晴らしい〕、と。お客さんが噺を聴いて、それぞれの頭の中で場面を想像して笑いが生まれるんですね。大人の笑い、万歳!です。

 

夏休み親子落語鑑賞会チラシさて、7月に6周年特別記念講演が行われましたが、8月23日(金曜日)~8月25日(日曜日)には、神戸県民センター主催の「親子落語鑑賞会」が開催されます。
楽しい落語解説のあと、お昼休憩を挟んで昼席です。7月末まで応募できますので、ぜひ親子で落語を楽しんでください!

                             夏休み親子落語鑑賞会QRコード

 

 

 

 

そして、11月には昨年度から始まった「喜楽館AWARD(アワード)」が開催予定です。喜楽館の次代のスターを、お客さんとラジオのリスナーによる投票で選び、賞金も投げ銭で決まるという、面白い企画です。お楽しみに。

なお、1.落語鑑賞、2.ガイド付き喜楽館のバックステージ体験ツアー、3.新開地グルメを堪能できる特製ランチがパックになった団体向け(10名以上)の「神戸・新開地体験ツアー」もありますので、グループで楽しみたい方は、是非ご利用ください。

神戸新開地・喜楽館(外部サイトへリンク)

新開地・喜楽館を核とした周辺の回遊性を考える 【前編】

この界隈は、私が神鉄沿線に住んでいることもあり、例えば、休日にJR神戸駅周辺で行われた行事の帰りには、新開地や湊川までぶらぶら歩く機会が多いルートです。
そこで今回は、JR神戸駅から新開地、さらに湊川公園、東山商店街等、湊川隧道まで歩いてみることにしました。
今回はその前編として、JR神戸駅~(高速神戸駅前)~メトロこうべ経由~新開地・喜楽館をご紹介します。

 神戸駅から喜楽館へのマップ

JR神戸駅~新開地・喜楽館 〔ゆっくり徒歩で約15分〕

JR神戸駅。最近では、かつて皇族が休憩などに利用された「貴賓室」を活かしたスタバのオープンが話題になりました。
便利で面白い駅です。駅北側には湊川神社、東に向かうと元町6丁目商店街、いずれも歩いてすぐに到着します。神戸市が進めている駅前広場・周辺道路の再整備が進めば、さらに人優先の動線、回遊性が増します。


と言いつつ、今回は、新開地へ歩きます。地上を西国街道沿いに歩けば、新開地本通りのゲートシンボル「BIGMAN」(ビッグマン)にたどり着きますが、今日は駅北側を地下に降り、デュオ神戸の山の手から地下を歩きました。私がよく歩くコースです。

まず、さまざまな店舗を横目に高速神戸駅までは歩いて5分ほど。そこからメトロこうべを西へ。メトロこうべは神戸高速線と新開地駅を結ぶ地下街です。その間500メートル。高速神戸側からの神戸タウンを経て中間通路エリアに入ると、南側には「metro+」という中央広場(大きなダンス練習用の鏡やストリートピアノがあります。休日には音楽イベントなども開催されています。)を中心に、東西に卓球場、北側等の壁面には絵が描かれていて何度通っても楽しめます(ここでは昔、古書販売をされてたような。)。

新開地地下道の写真

ここから新開地へ向かうと、新開地タウンエリア。立ち飲み屋さんが並び、私もよくお世話になるところです。

この日は飲みたい思いを我慢して新開地駅へ西進せず、北側の出口3へ。喜楽館の雰囲気ある階段をのぼりきると、かつて聚楽館のあった場所を背に、新開地2丁目商店街へ。特大提灯がもう目の前、冒頭にお話しした喜楽館の入口です。JR神戸駅からここまで15分ほどでした。

新開地地下道から地上への写真

ここで話を脱線 この夏、新開地商店街が面白い 

新開地の誕生は1905年にさかのぼります。この地は古く平安時代の頃の古湊川を付け替えて、明治時代まで流れていた旧湊川の河川跡です。天井川だった旧湊川は度々起こす氾濫や東西交通の妨げの要因となっていたことから、明治に入って河川の付け替え事業が実施されました。1901年、川水は会下山をくり抜いた河川トンネル「湊川隧道」を流れて、苅藻川に合流する新湊川になり、旧湊川河川跡の埋め立て地に文字通りの、新(しく)開(いた)地「新開地」が誕生しました。最盛期には、24館もの大小劇場、湊川遊園、百貨店などが並び、「東の浅草、西の新開地」とまで言われる国内有数の大歓楽街となったのです。戦後、昭和30年代頃から、行政機関や地元新聞社といった市の中枢機能の三宮等への移転や、劇場・映画館の相次ぐ廃館などにより、まちは賑わいを失くしていきました。私が幼少の頃、母親に連れられて映画「東映まんがまつり」を観た聚楽館も1978年に閉館となりました。

しかし、その後、地元の皆さんの熱意によって市内でも先陣を切るまちづくりの協議、震災からの復興を経て、現在は新開地まちづくりNPОが中心となり、ハード整備のみならず、新開地音楽祭や映画祭などのソフトイベントの定期開催、ファンづくりなども含めた、持続可能なまちづくりに向けた取組みを続けられています。
 

新開地おばけひろばチラシこの新開地商店街に、2023年リニューアルした「新開地アートひろば」があります。(旧名称は神戸アートビレッジセンター<通称KAVC>)。子どもから大人まで多様な世代が交流する文化活動拠点です。この夏休みには「帰ってきたョ! 新開地おばけひろば2024」が繰り広げられています。ニューおばけやしき、窓ガラスにおばけの絵を描く、納涼おばけ落語や怪談話など、どの世代もあそべる企画が楽しめるようですので、商店街のぶら歩きを兼ねてお出かけください!

帰ってきたョ!新開地おばけひろば2024 | 新開地アートひろば(外部サイトへリンク)

 

 

 

それでは、次回は、新開地・喜楽館から北へ向かって、~湊川公園~東山商店街等~湊川隧道をご紹介します。

 

令和6年7月17日

兵庫県神戸県民センター長

内藤 良介

 

≪以下に「過去の神戸県民センター長メッセージ」のリンク先を掲載しています。≫

 過去のセンター長メッセージ

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FAX:078-642-1010

Eメール:kobe_kem@pref.hyogo.lg.jp