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更新日:2023年5月30日

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県内各地が”パビリオン”になる

2025年大阪・関西万博の開催を機に、県全体を展示館(パビリオン)に見立て、地域のSDGsを体現する活動の現場(フィールド)を地域の人々が主体となって発信し、多くの人に見て、学んで、体験していただくプログラム。

 

 

 

No.1しい海に囲まれた県内随一の漁業の島です

 

姫路港から定期船で約30分、美しい海に囲まれた坊勢島は、瀬戸内海国立公園に含まれる大小44の島々から成る家島諸島の一つ。周囲約11kmと小さく、山が海岸まで迫り平地が少ない地形のため、急斜面に家々が立ち並ぶ独特の景観が広がっています。大半の家庭が漁業に従事しており、活気に満ちた港には漁船がずらり。その総数は800隻ともいわれ、県内で1、2を争う漁獲高を誇っています。

釣り人も多く訪れるほか、全国でも珍しい漁業見学船「第八ふじなみ」に乗っての漁業見学やブランド魚「ぼうぜ鯖」の餌やり、海鮮バーベキューなど、島ならではの非日常体験が観光客を魅了しています。


港には絢爛豪華な紋が彫られた漁船も

 

No.2界的ブランド「神戸ビーフ」は生まれも育ちも兵庫県の“箱入り牛”です

 

甘みのある赤身と細かく入ったサシ(脂肪)が極上の味を織り成す最高級ブランド和牛「神戸ビーフ」。霜降りの度合いや肉のきめ細かさなど、厳しい認定基準を満たすものだけに与えられる称号です。素牛(もとうし)となる「但馬牛(うし)」は、県外の牛と一切交配せず、繁殖から肉牛としての出荷まで全てを兵庫県内だけで行っています。

新温泉町にある「兵庫県立但馬牧場公園」では放牧された但馬牛が見られるほか、併設する「但馬牛博物館」で但馬牛の歴史や神戸ビーフのおいしさの理由を学べます。


但馬牛博物館
2018(平成30)年にリニューアルした但馬牛博物館。館内には昔の農家住宅を再現した「農業遺産体験館」も。

 

No3庫の風土と人々の情熱が酒米の王様を育んでいます

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田植えや収穫体験、農家との触れ合いができるプログラムも

 

酒造好適米として全国に名をとどろかす「山田錦」は、大粒で心白が中央にあり、タンパク質含量が少ないのが特徴。香り、味わいともに優れた日本酒に仕上がるため、飲み手にも酒造家にも人気の品種で、“酒米の王様”と呼ばれています。始まりは1923(大正12)年、県立農事試験場(現県立農林水産技術総合センター)で「山田穂」と「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を交配。

産地適応性の試験等を経て、36(昭和11)年に「山田錦」が誕生しました。以来、県内の生産者の手で大切に育てられてきました。中でも北播磨地域は特A地区に認定される産地。夏場の昼夜の寒暖差、粘土質の土壌が最高品質の酒米を育んでいます。三木市の「山田錦の館」では、歴史を学ぶ展示見学や日本酒の試飲体験などができます。

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Ⓒ(一財)神戸観光局

 

No4司という存在が豊かで繊細な香りを作り出します

淡路島は生産量日本一を誇る線香の一大産地です。江戸時代、江井地区(現淡路市)の商人が堺から職人と技術を持ち帰ったのが始まり。以来170年余り、線香作りが脈々と続けられてきました。線香メーカーには香司と呼ばれる人が存在します。調香から仕上げまで全工程において品質を管理。一切の妥協を許さない、香りをつかさどるマイスターです。

近年は、兵庫県線香協同組合に所属するメーカーの香司がそれぞれの感性でプロデュースした香りをパッケージ化したシリーズを販売しています。江井地区に集うメーカーの中には線香作り体験ができる所も。豊かで繊細な香り漂うまちは、環境省の「かおり風景100選」にも認定されています。


アロマ感覚で楽しむ人も増えている淡路島の線香

 

No5400年以上続く優れた技術により上質の金物が生まれています

三木市が全国屈指の金物のまちとなったきっかけは、1578(天正6)年の羽柴秀吉による三木城攻めでした。焼け野原になった城下の復旧のために大工職人が各地から集まったことで、大工道具の製造が発展。

長い時をかけて培われた技術は上質の金物を生み、のこぎり、のみ、かんな、こて、小刀は国の伝統的工芸品にも指定されています。道の駅「みき」には、市内の製造・卸業70数社の約2万アイテムがそろう「金物展示即売館」もあります。


市内には昔ながらの工房も残り、つち音を響かせています。

 

No6安時代末期に開窯された「日本六古窯」の一つです

陶芸体験ができるスポットも。

 

平安時代末期の開窯とされ、800年以上にわたって受け継がれてきた「丹波焼」。瀬戸や常滑、信楽などと共に「日本六古窯」の一つに数えられ、産地である丹波篠山市今田地域には約60の窯元が連なります。伝統的な丹波焼は、登り窯で焼成する素朴で野趣あふれる生活用器が魅力。現在はモダンな作品も増え、色や形、手触りなど、窯元ごとに異なる作風が楽しめます。

周辺には陶芸体験ができる丹波伝統工芸公園「立杭(すえ)の郷」や陶磁器をテーマとした兵庫陶芸美術館もあり、陶芸の魅力に浸れます。


県の重要有形民俗文化財に指定されている「最古の登窯」

No6奇岩が織り成す独特な風景を漁船から楽しめます

伊弉冉尊(いざなみのみこと)が死後に住んだ黄泉の入り口と伝わる「穴口」。

 

南あわじ市の南東に浮かぶ沼島は、漁業が盛んで、約300人の島民の多くが漁師とその家族。神々によって創られたとされる日本の始まりの地「おのころ島」の伝説が残り、周囲には、国生み神話に登場する「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」や「天(あめ)の沼矛(ぬぼこ)」「天(あめ)の御柱(みはしら)」と伝わる高さ約30mの「上立神岩」など奇岩や岩礁が点在、神秘的な風景が広がります。

プレミア・プログラムに選定された「沼島おのころクルーズ」はこれらを巡りながら漁船で約50分かけて島を一周するプログラム。付近は磯や暗礁が無数にあるため、操船は地形や潮の流れを知り尽くした地元のベテラン漁師約10人が担当します。海からしか眺められない自然が創り出す雄大な景色を満喫するとともに、島の暮らしを支える漁業とそれに欠かせない豊かな海についても思いを巡らせていただけたらうれしいです。(沼島観光ガイド 小野山豪さん)

7年前に「地域おこし協力隊」として大阪府から移住した小野山さん。

 

 

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