豊岡健康福祉事務所感染症発生動向調査週報
このページは感染症発生動向調査事業に基づき、豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市・香美町・新温泉町)を中心とした地域の感染症の発生状況を毎週情報提供し、感染予防についての注意喚起を行っています。
2024年第45週(11月4日~11月10日)の管内の感染症発生動向情報をお送りします
今週のcontents
- 定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
- インフルエンザについて
- マイコプラズマ肺炎について
- 感染性胃腸炎について
1.定点把握感染症について〈定点あたり報告数の多い感染症〉
感染症
|
定点あたり報告数
|
増減
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45週
|
44週
|
手足口病 |
6.0 |
4.0 |
↑増加 |
感染性胃腸炎 |
3.0 |
2.8 |
↑増加 |
COVID-19 |
1.25 |
1.0 |
↑増加 |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 |
0.4 |
0.4 |
→横ばい |
2.インフルエンザについて
- 今週、県内の定点あたりの患者数が0.87人(先週1.01人)と減少しました。
- 季節性インフルエンザは流行性があり、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。例年は12月~3月が流行シーズンですが、今年は全国的に早くに流行期に入りました。
- 一般的にインフルエンザは発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出すると言われており、ウイルスを排出している期間は、外出を控える必要があります。
- 排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれており、排出期間の長さには個人差があります。咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
- 感染予防にはワクチン接種や手洗いうがいの励行、マスクの着用、咳エチケットなどの一般的な予防に加え、感染が疑われる場合には早めの受診が大切です。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/index2024.html
3.マイコプラズマ肺炎について
- マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。
- 県内の定点あたりの患者数は2.64人(先週3.07人)と減少しています。
- 全国的には患者数は増加しており、1999年に現在の方法で統計をとり始めてから最も多い報告数となっています。
- 例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。
- マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられ、秋冬に増加する傾向があります。
- 感染経路は飛沫感染や接触感染で、潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされています。
- 症状は発熱や全身倦怠感(だるさ)、頭痛、痰を伴わない咳等がみられます。咳は少し遅れて始まることもあり、咳は熱が下がった後も長期にわたって(3~4週間)続くのが特徴です。
- 肺炎マイコプラズマに感染した人の多くは、気管支炎で済み、軽い症状が続きます(一般に、小児の方が軽症で済むと言われています)が、一部の人は肺炎となったり、重症化したりすることもあります。咳が長引く時は医療機関を受診しましょう。
- 短時間の接触で感染拡大の可能性はそれほどありませんが、普段からの流水と石けんによる手洗いをすることが大切です。また、感染した場合は、家族間でもタオルの共用は避けましょう。咳の症状がある場合には、マスクを着用するなど咳エチケットを守ることを心がけましょう。
【関連ページ】
厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html
4.感染性胃腸炎について
- 今週、豊岡健康福祉事務所管内の定点あたりの患者数は3.0人(先週2.8人)と増加しました。
- 感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。ウイルス感染による胃腸炎が多く、毎年12月中旬ごろに発生がピークとなる傾向にあります。
- 保育所や高齢者施設など社会福祉施設では集団発生が起こることがありますので特に注意が必要です。
- 感染性胃腸炎の原因となるウイルスには「ノロウイルス」「ロタウイルス」「サポウイルス」「アデノウイルス」などがあり、おもな症状は腹痛、下痢、嘔吐、発熱です。
- ノロウイルスは人の腸管内で増え、患者のふん便や嘔吐物には1グラムあたり100万から10億個もの大量のウイルスが含まれており、少量でも感染力が強いことが特徴で、手指や食品を介して経口で感染し、人の腸管で増殖します。
- 感染すると24~48時間で、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などの症状が出現し,症状が1~2日続いた後、健康な人は回復します。
- 症状の回復後でも1週間程度、長い場合は1ヶ月にわたり、ふん便中にウイルスが排泄される場合があるので注意が必要です。
- 感染拡大を防ぐためには、食事前や排泄後、調理前、患者の汚物処理やおむつ交換を行った後は、石けんと流水でしっかり「手洗い」を行いましょう。
【関連ページ】
兵庫県HP
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/hw12_000000035.html
グラフ・データで見る管内の感染症情報(2024年45週)
小児科定点(グラフ)インフルエンザ定点(グラフ)(PDF:636KB)
兵庫県保健所別データ(PDF:34KB)
兵庫県感染症発生動向調査週報(PDF:499KB)