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更新日:2023年6月5日

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エムポックスについて

※令和5年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました。

世界保健機関(WHO)は、エムポックスに関する緊急委員会を開催し、世界的な感染拡大が続いているとして、令和4年7月23日、エムポックスが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と判断し、事務局長が宣言しましたが、世界的な感染の大幅な減少等により、令和5年5月11日、PHEICの終了を宣言しました。

  • 令和4年6月23日:第1回目の緊急委員会を開催、公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)には当たらないとの判断
  • 令和4年7月21日:第2回目の緊急委員会を開催、7月23日に緊急事態を宣言
  • 令和5年5月10日:第5回目の緊急委員会を開催、5月11日に緊急事態終了を宣言

発生状況と経過

エムポックスは、1970年にヒトでの感染が発見されて以来、中央アフリカから西アフリカにかけて地域的な流行がみられていました。令和4年5月以降、欧州、北米等の非流行国において、疫学的な関連がない又は地域的な流行がみられる常在国への渡航歴がない感染例及び疑い例が数多く報告され、世界的に令和4年8月下旬まで急増しましたが、令和5年3月時点では落ち着いています。

一方、令和5年3月に入り、国内での感染が拡大しており、今後の発生動向に注意が必要です。

 

エムポックスの特徴

エムポックスは、オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによる急性発疹性疾患の感染症で、日本では、平成15年(2003年)から「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)上の四類感染症として位置づけられています。就業制限、入院勧告等の措置及び医療費公費負担の制度はありません

臨床的な特徴(症状)

  • 主に発熱、頭痛、背中の痛み、重度の脱力感、リンパ節腫脹、筋肉痛、発疹などであるが、発汗、悪寒や咽頭痛などの症状もみられます。
  • エムポックス常在国における致命率は1~11%程度とされています。

感染経路

  • リスなどのげっ歯類が自然宿主として考えられています。
  • 感染した人や動物の皮膚の病変、体液、血液との接触(性的接触を含む。)、患者との接近した対面での飛沫への長時間の曝露、患者が使用した寝具等との接触等により感染します。

診断

  • 病変部位(主に水疱や膿疱の内容液等)からのウイルス分離、PCR法による病原体の遺伝子の検出。【一般の医療機関では検査ができません

治療

  • 発熱すれば解熱剤などの対症療法が基本となります。
  • 国内において承認されている特異的な治療薬はありませんが、欧州においてエムポックスの治療薬として承認されている、「テコビリマット」の臨床研究が開始されています。【同研究に同意され、担当医が治療研究のための基準を満たすと判断した場合。】
  • 重症例や重症免疫不全を有するエムポックス患者に対して、ワクシニア免疫グロブリン製剤を投与できる体制が国立国際医療研究センター等で開始されています。

予防法

  • 天然痘ワクチンが、曝露後に発症・重症化を予防する効果が期待されるとされています。【日本では一般流通していない】
  • 患者の接触者については、同ワクチンの有効性及び安全を検討するための臨床研究が開始されています。【同研究に同意され、一定の基準を満たす場合。】

県民の方へ

気になる症状がある場合、かかりつけ医や最寄りの健康福祉事務所(保健所)へ相談してください。

医療機関の方へ

暫定症例定義に該当する方を探知した場合、最寄りの健康福祉事務所(保健所)まで相談願います。

お問い合わせ

部署名:保健医療部 疾病対策課

電話:078-362-3202

FAX:078-362-9474

Eメール:shippeitaisaku@pref.hyogo.lg.jp