更新日:2023年3月27日

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局長メッセージ(令和4年9月)

 8月に入ると、全国的に大気が不安定になるなか、丹波でも湿度が高く、蒸し暑い日々が続きました。そして、日中蒸し暑さが続いたあと、にわか雨、夕立に見舞われる日も多く、雨具必携の毎日でした。

 しかし、そんな天候不順の不快感をも吹き飛ばす、大きな出来事がありました。暦の上では暑さが和らぐ「処暑」にあたる8月23日(火)、丹波県民局と(公社)関西経済連合会(関経連)の間で、「丹波2050地域ビジョン」のシンボルプロジェクトであるシリ丹バレー(外部サイトへリンク)の推進に関する連携協定が結ばれました(シリ丹バレー構想については令和4年1月の局長メッセージに詳しく記しています)。

 この日、私は大阪で関経連主催のシンポジウムに丹波県民局を代表して参加しました。この催しは、関経連の将来ビジョン、「関西ビジョン2030」のプロジェクトの1つ、「あっちこっち関西・イノベーションプロジェクト」のキックオフシンポジウムとして開催されたもので、オンライン参加を含め約160名の人が参加しました。

                      シンポジウム

                    関経連シンポジウムの模様(大阪府立国際会議場)

 

 同プロジェクトは、関西各地で取り組まれているイノベーション創出や社会課題の解決に向けた取組と企業との連携をサポートする目的で立ち上げられたもので、丹波県民局は京都府舞鶴市とともに、プロジェクト推進にあたっての関経連の連携パートナーに選ばれました。当日のシンポジウムの場において、関経連の金花副会長(㈱川崎重工業代表取締役会長)と私が連携協定に署名しました。

        締結2                     シリ丹紹介

        連携協定の締結(右が金花関経連副会長)            兵庫丹波地域、シリ丹バレーの取組の紹介

 

 連携協定では、その目的において、丹波県民局による「シリ丹バレー」の取組に関して、丹波県民局と関経連が相互連携と協働による活動を推進し、地域課題の解決に資するとともに、活力ある持続可能な地域社会の形成を図ることを謳っています。そして、相互に連携して取り組む事項として次の4点を掲げています。

 (1) デジタルトランスフォーメーション(DX)による地域イノベーションに関すること

 (2) 起業支援及び起業家ネットワーク構築に関すること

 (3) 丹波地域と京阪神地域のコワーキングスペースの連携に関すること

 (4) その他前条の目的を達成するために甲乙が必要と認める事項

 この連携協定に基づき、今後、丹波県民局並びにシリ丹バレー推進協議会は、関経連と具体的に事業連携を進めてまいります。当日のシリ丹バレーの取組紹介では、私から連携協定への期待として、①女性起業家間の交流促進、②コワーキングスペース・知識創造拠点間の連携、③DX(フードテック等)の推進、④専門人材等の派遣、副業人材のマッチング、⑤モデル地区におけるスマート技術の社会実装への支援・協力、⑥「たんばウッドバレープロジェクト」(丹波産木材を活かした新産業創造研究会)への参画の6点について要請しました。

   シンポジウムの閉会挨拶では、金花副会長から関経連の会員企業に対し自社のリソースを活かした地方での貢献や社員の派遣についての検討要請を行なっていただきました。この呼びかけに呼応し、今後1社でも多くの企業がシリ丹バレーとの連携事業に参画いただくことを期待しています。事業は9月から開始します(連携事業の内容についてはシリ丹のホームページで逐次お知らせします)。

 シリ丹バレー構想の推進機関であるシリ丹バレー推進協議会は、今年2月の設立以来、順調にその活動を拡大しつつあります。現在登録している産学官民の団体等(一部個人を含む)は50以上にのぼっています。2月以降の活動を通じて、既に200を超える団体等と関わりを築いていますので、今後登録団体数のさらなる拡大が見込まれます。

 協議会では、6月の総会で令和4年度事業計画が承認されて以降、この9月までの間に矢継ぎ早に事業を実施してきました。7月8日(金)には、第1回推進セミナー「日欧農村地域アントレプレナーシップセミナー」を関西学院大学産業研究所との共催で開催しました。当日は、加藤雅俊関西学院大学教授に「アントレプレナーシップと地域活性化」のタイトルで基調講演いただいたのち、アンナ・シュラーデ同大学准教授に「南ドイツの農村地域におけるソーシャルイノベーション」について事例報告いただきました。続くパネルトークでは、丹波に移住して起業・創業した3名の方に起業の課題や可能性について語っていただきました。この日の講演・討論からは、丹波での起業拡大に向け、ライフスタイル型起業をサポートする体制や地域活動を起業につなげていく仕組みを整備することの重要性を再認識しました。

                        セミナー

                     第1回推進セミナーの模様(丹波の森公苑)

 

 7月17日(日)には、丹波地域の女性起業家の活躍を応援する「たんば女性起業家ネットワーク」のキックオフセレモニーが行なわれました。当日は、女性のためのスキルアップセミナーの受講生らを前に谷水ゆかり氏(分科会Ⅰリーダー)がネットワークの立ち上げ宣言を行ないました。また、ご来賓の二階堂薫氏(コピーライター)、幟立真理氏(㈱アビサル・ジャパンCEO)には、起業のやりがいや顧客に寄り添う姿勢などをお話いただくとともに、丹波の女性たちに熱いエールを送っていただきました。

 このたんば女性起業家ネットワークは8月20日(土)に正式発足し、現在参加者募集中です(参加申し込みは以下のQRコードからお願いします)。今後、ネットワークでは、関経連等と連携して域内だけでなく、大阪・神戸さらには海外の起業家との交流イベントも予定しています。

     谷水さん1              女性起業家QR

    谷水ゆかり氏によるネットワーク立ち上げ宣言(たんば黎明館) たんば女性起業家ネットワーク申込ページへ(外部サイトへリンク)

 

 8月4日(木)には、暮らしやすい、持続可能な地域社会の実現に向けた、スマート技術導入のあり方を議論するスマートコミュニティ研究会(分科会Ⅱ)(外部サイトへリンク)の第1回会合が開催されました。当日は、野村靖仁委員((特)地域情報化推進機構副理事長)から、「デジタル田園都市国家構想とスマートコミュニティの創生」というテーマで発表があり、続いて、他の委員から、地区・集落の現状・課題や市のスマート施策について報告がありました。その後の意見交換では、スマート技術の収益化(monetize)などをめぐって議論が交わされました。次回は、「移動支援」をテーマに研究会を9月に開催する予定です。

 前述したように、8月23日(火)には大阪の関経連シンポジウムでシリ丹バレーのPRを行ないましたが、9月1日~2日には、神戸でみなと元気メッセ2022(外部サイトへリンク)(西日本最大級の産業総合展示会である国際産業フロンティアメッセと同時開催:神戸国際展示場)にシリ丹バレー推進協議会がブース出展します。協議会会員で、昨年度「丹波すぐれもの大賞」を受賞した2社、マルスバッグ、イクジウッド㈱の受賞製品も協議会ブースに展示されます。

 このほかにも、9月以降実施が予定されているイベント・事業が数多くあります。6月の総会で立ち上げを宣言した丹波コワーキングスペース・ネットワークでは、域内の6つの施設間で相互往来イベントを実施し、利用者間の交流を生みだそうとしています。さらに、関経連との連携のもと、大阪・神戸の施設とも交流イベントを企画する予定です。

  また、協議会では、研究支援機関や金融機関等と連携してDXの推進に向けたセミナーや、関経連等と連携したIT人材を紹介するマッチングイベントなどを計画しています。事業としては、クラウド・ファンディング組成にあたっての手数料支援や副業情報発信の仕組み構築などに取り組んでいく予定です。

  このような取組を通じてシリ丹バレーがめざす地域発イノベーションとは、技術や製品・サービスのイノベーションにとどまりません。シリ丹バレーでは、起業・副業等の推進により、働き方や暮らし方のイノベーションを促進するとともに、地域課題を解決するビジネスや地域資源を活かしたビジネスを興し、地域経済や地域社会のイノベーション、変容を促そうとしています。そして、様々な分野で変化を同時並行的、創発的に生み出すことで、人口減少下でも持続可能な、活力ある豊かな地域の実現をめざしています。

 オープン・イノベーションを志向するシリ丹バレーでは、参加を望む人たちに常時門戸を開いています。あなたも、新しい地域社会の実現に向け、シリ丹バレーの取組に参加してみませんか。地域発イノベーションの創出や様々な地域課題の解決に、あなたの専門知識・技能、経験が役立つ可能性があります。また、参加することで、あなたがこれまで出会ったことのない人との交流も生まれてくるかもしれません。参加登録は以下のQRコードから簡単に行えます。近い将来、シリ丹バレーのイベントや活動の場であなたとお会いできる日を楽しみにしています。

                                 シリ丹QR

               シリ丹バレー推進協議会登録ページへ(外部サイトへリンク)

 

 

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新型コロナの新規感染者数は、依然高い水準で推移しており、医療現場は大変厳しい状況にあります。第7波を乗り超えるため、引き続き、一人ひとりの基本的な感染対策の徹底や、積極的なワクチン接種とともに、医療逼迫の回避や保健所の負担軽減に向けた取組へのご協力をお願いします。

お問い合わせ

部署名:丹波県民局 県民躍動室

電話:0795-72-0500

FAX:0795-72-3077

Eメール:tambakem@pref.hyogo.lg.jp