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昨年もメッセージに書いたのですが、先週、合同防災パトロールで、島内をまわりました。兵庫県が「豊かなむらを災害から守る月間」と定めた6月に、警察、消防、市、ため池管理者などの関係者と県民局が一緒になって、特に重点的にパトロールや啓発活動を行っているものです。
淡路地域では、昨年度あまり雨が降りませんでした。おかげで豪雨による災害らしい災害はありませんでしたが、逆に水道原水の取水制限が行われ、田植えに向けた灌漑用水不足への懸念から協議の場が持たれるなど、島内では水不足対応が進められていました。それが一転、4月半ば以降は週末ごとに雨が降り、例年より早く梅雨入りしたかと思うと、台風が相次いで接近しました。
合同防災パトロールも、本来は2日に行われる予定でした。台風2号が梅雨前線を刺激し、荒れ模様となったため1週間延期されました。島内では、県道の通行規制などの備えをしましたが、冠水や崩土、落石も起こりました。農業施設でも、ため池堤体の陥没や、水路、畦畔の破損など複数箇所で被害が出ました。
幸い県内全域で人的被害はありませんでした。しかしながら、線状降水帯がもう少し北にずれていたらと想像すると、改めて自然の怖さと備えの大切さを思わずにはいられません。
そんな中、特に気になったことが一つ。島内で一部地域に避難指示が出されましたが、対象となった世帯のうち、実際に避難されたのはわずかでした。個々の世帯に事情があり、避難が必要な状況かどうか、安全に避難できる状態だったかどうかがそれぞれ異なることはもちろんですが、余りに少ない。この問題は従来から繰り返し指摘されてきたことではあります。ただ、我々行政関係者は“オオカミ少年”になることを恐れず、呼びかけることしかできません。
雨の季節はしばらく続きますし、台風は秋までやってきます。大きな被害が起こってからは遅いのです。どうか日頃から万一に備えるとともに、避難の呼びかけには、状況が許す限り対応をお願いします。
令和5年6月16日
淡路県民局長 藤原 祥隆
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