はじめに
近年、開発や都市化の進行、多発する局地的大雨により、従来よりも雨水の流出が増え、浸水による被害が拡大しています。

そこで、これまでの”ながす”対策(河川下水道対策)に加え、雨水を一時的に貯める・地下に浸透させる”ためる”対策(流域対策)や、浸水してもその被害を軽減する”そなえる”対策(減災対策)を組み合わせた『総合治水』の取組が重要となっています。



兵庫県では、平成24年4月1日に『総合治水条例』を施行し、この条例に基づいて、地域総合治水推進計画を策定し、県・市町・県民が連携した総合治水を推進しています。
(1)総合治水条例
- 条例には、総合治水の推進に関するあらゆる施策を示した上で、県・市町・県民の責任を明確化。
- 河川の流域や地域特性等から県を11地域に分け、各地域において総合治水を推進する計画「地域総合治水推進計画」の策定を規定。
- 雨水の流出量が増加する一定規模以上の開発行為を行う開発者等に対し、「重要調整池」の設置等を義務化。
条例の内容
重要調整池に関する資料
(2)地域総合治水推進計画
- 各地域の特性やニーズに合わせて、その地域にふさわしい総合治水の取組をまとめた計画。県下11地域に分割して策定。
- 計画には基本的な目標や方針、ながす・ためる・そなえる取組、環境の保全と創造への配慮等を記載。
- 県民、学識経験者等からなる「総合治水推進協議会」において、広く県民の意見を聴いた上で策定・見直し。
- 詳しくはこちらをご覧ください。「地域総合治水推進計画」
(3)総合治水対策の取組実績と効果
総合治水推進計画に基づき進めてきた総合治水対策について、主な取組の実績と効果を、計画の中間年(策定から概ね5年)である平成29年度末にとりまとめました。
河川下水道対策の進捗や防災意識の向上が図られ、また570万立方メートル(東京ドーム約5杯分)の雨水貯留が可能になりました。
総合治水対策の取組実績と効果(PDF:4,714KB)
(4)普及啓発活動
総合治水の普及啓発のため、博物館での企画展やイベントでのブース出展など、様々な広報活動を行なっています。
広報活動の取組
(5)総合治水の具体的な取組
- 「ながす」「ためる」「そなえる」、それぞれで実施する具体的な取組例を紹介。
- より分かりやすく・より取組みやすくするため、指針を策定しています。
「ながす」取組の例
1.河川断面の拡大による流下能力の向上
2.ダム建設
「ためる」取組の例
1.校庭での貯留(大雨時に、敷地に降った雨を一時的に貯めます)
2.各戸での貯留(雨水貯留タンクの設置)

3.水田での貯留(水田で通常より10cm程度余分に貯められるようにする)
4.ため池の治水活用(台風等大雨の前にため池の水位を下げる、雨水を貯められる量を増やす)
5.利水ダムの治水活用(台風等大雨の前に貯水位を下げ、雨水を一時的に貯められる量の確保)
6.開発に伴う調整池の設置・保全(雨水の流出が増える1ha以上の開発に対し、調整池の設置・保全を義務化)
7.川沿いの遊水地となる場所の保全(川から溢れても一時的に貯留できる場所を確保する)
「そなえる」取組の例
1.災害危険情報の発信、防災知識の普及・啓発(行政や気象庁が発信する情報を入手し、避難判断に活用)
2.二線堤や輪中堤等の整備(川が氾濫しても、人家など重要な施設を守る)
各種指針
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