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梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が感染することで起こる感染症です。性行為で粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。感染すると、性器や肛門、口にしこりができたり、全身に発疹(ほっしん)が現れたりしますが、一旦症状が消えるため治ったと間違われることがあり、発見が遅れる危険があります。
検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
なお、梅毒はHIVの感染リスクを高める可能性があります。
近年、国内での梅毒の感染報告が急激に増加しています。兵庫県でも、平成26年以降感染報告数が増加し、令和2年には微減したものの、令和3年以降再び増加に転じています。令和3年は265人、令和4年は392人、令和5年は411人の感染報告がされています。
梅毒が増加しています!
梅毒は、感染したあと、経過した期間によって、症状の出る場所や内容が異なります。
感染後約1か月で、感染した場所(性器、肛(こう)門、口など)に、できもの、しこり、ただれなどができます。治療しなくても、数週間で症状は消えます。
感染後3か月程度経つと、手のひらや足の裏など全身にパラ疹とよばれる発疹ができます。治療しなくても、約1ヶ月程度で消失しますが、抗菌薬で治療しない限り、トレポネーマは体内に残ります。
症状がないまま何年も経過することがありますが、皮膚や内臓で病気は静かに進んでいます。
数年~数10年後に、心臓、血管、神経の異常が現れることがあります。
梅毒は感染しても症状が出ない人もいます。検査を受けないと感染したかどうかは分かりません。気になることがある場合は、検査を受けましょう。
菌を排出している感染者との粘膜や皮膚の接触を伴うセックス(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)などで感染します。妊娠中に感染するとお腹の赤ちゃんに感染させる可能性があります。
膣(ちつ)性交や肛門性交(アナルセックス)だけでなく、口腔(こうくう)性交(オーラルセックス)でも感染します。
自分だけが治療してもパートナーから再感染したり、その逆もあるので、パートナーも完全に治すことが必要です。
妊娠中に梅毒に感染すると、お腹の赤ちゃんに感染してしまうことがあります。お腹の赤ちゃんに感染すると、死産、早産、新生児死亡、障害をもって生まれることがあります(先天梅毒)。
なお、初期の妊婦健診で梅毒検査が行われますが、健診後に感染する場合もありますので、気になることがあれば、主治医に相談しましょう。
梅毒に感染しているかどうかを症状だけで判断することは難しいため、気になるときは血液検査を受けましょう。
感染直後に抗体検査を行っても陽性反応がでないことがありますので、感染の機会があってから1ヶ月程度の期間をおいてから検査を受けてください。
県健康福祉事務所では、無料・匿名での検査を受けることができます。
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