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11月に入って、2つの海に関わる行事に参加しました。
一つは、「全国豊かな海づくり大会」。41回を数え、昭和56年に第1回大会が開催されて以来、都道府県ごとに開催され、兵庫県は2回目を開催する最初の県となりました。テレビや新聞でも報道されていましたので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
かつて赤潮が発生するなど、瀬戸内海は富栄養化に苦しんだ時期があります。長年の取組、努力を経て、海は綺麗になりましたが、近年はノリの色落ち、漁獲高の減少など、貧栄養化が原因ではないかとされる現象が見られるようになっています。豊かな海とは何か、それを問いかける大会内容でした。
当日は、天皇皇后両陛下をお迎えし、兵庫県内の高校生が大活躍。佐渡裕さんが監督、指揮するスーパーキッズオーケストラが見事な演奏で盛り上げるなど、厳かな中にもなごやかに進みました。式典の間はかなりの勢いで降っていた雨も、屋外行事の時には静かに止んで、沖を百隻の漁船が歓迎パレードを行う中、稚魚の放流が行われました。惜しむらくは、晴天であれば両陛下を始め全国から参加の皆さんに、見事な明石海峡と海峡越しの淡路島をご覧いただけたのに、と残念です。
もう一つは、「3海峡クリーンアップ大作戦」。“うず潮を世界遺産にする淡路島民の会”の皆さんを中心とする実行委員会が主催して、淡路島を囲む鳴門、紀淡、明石の3海峡で一斉に清掃活動をするものです。地元住民による清掃活動を通じて気運を盛り上げ、うず潮の世界遺産登録につなげていこうという思いで続けられ、今回は4回目。年々参加者が増えています。
私は、南あわじ市の伊毘(いび)海岸で清掃活動に参加しましたが、持っていたイメージが覆りました。流木とか、漁具とか大きめのゴミの回収をイメージしていましたが、今回拾った物はほとんどが砕けたプラスチックや発泡スチロールの破片。荒天の後には、大きいゴミも流れ着くそうですが、普段は小さく拾いきれないような破片ゴミが溜まっていくようです。実際、つまんで拾っても拾っても、砂の中からプラスチック片が出てきます。ストローも何本か混じっていました。
これまで、レジ袋やプラスチックストローの削減運動を、資源問題、温暖化問題と結びつけて捉えていましたが、いわゆる「マイクロプラスチック」問題が、身近なところでいかに深刻化しているか、実感しました。綺麗な淡路の海を守るためにも、プラスチック類の削減を意識しなければと改めて思っています。
令和4年11月22日
淡路県民局長 藤原 祥隆
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