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淡路に来て8ヶ月余り、まだまだ知らないことが多いです。
先日、兵庫県の「地域文化を考えるシンポジウム」が8年ぶりに淡路で開催されました。県内各地の文化協会や団体が集まり、地域の文化活動の情報交換などをおこなう行事です。
各地の地域活動が報告されたあと、淡路の文化活動の一端が「淡路のえェとこ魅せまSHOW」と題されて紹介されました。国生み神話や、平家物語と淡路島の関係などが映像や語りで紹介される中、南あわじ市の“福良・東本町だんじり唄伝承会”が披露されただんじり唄が特に印象的でした。
だんじり唄とは、太鼓と拍子木でリズムをとりながら、浄瑠璃や歌謡浪曲などの名場面を集団で唄い演じるもの。この日は、十数人の皆さんが、浄瑠璃のような語り、歌舞伎のような掛け合い、素晴らしい声での独唱などを交えながら、福良の浦長であった「桐原刑部」の物語を演じられました。声を合わせて朗々と歌い上げる物語に、淡路にはこういう伝統文化もあるのか、と感心しました。
今月初めには、南あわじ市の“阿万の風流大踊小踊”が風流踊の一つとして、ユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり、阪神間で引っ越しを繰り返してきた身には、淡路の歴史とそれを受け継ぐ伝統文化の厚みに圧倒されるばかりです。
淡路のだんじり唄は、古く三百年近くの歴史を持つもので、時々の変遷を経て形を変えながらも、連綿と唄い継がれている伝統芸能。高度成長期の人口流出に伴って一時衰退していたものを、昭和50年代に地域の皆さんの熱意で再興されたということです。今も各地域の春祭りで披露、奉納されているとのことですので、皆さんにも是非お聞きいただきたいと思います。
さて、今年も残すところあと1ヶ月となりました。県民局でも、先日消防訓練を行いましたが、空気の乾燥とともに火事が増える季節です。使い方を誤れば、電気こたつからも発火するとの報道もありました。発熱物の近くに燃えやすい物を置かないことはもちろん、火の元の処理、コンセント周りのホコリ掃除など、身近な防災にも心配りをお願いします。
令和4年12月2日
淡路県民局長 藤原 祥隆
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