ホーム > 県政情報・統計(県政情報) > 県民局・県民センター情報 > 淡路県民局 > 令和4年1月16日(1月第2報)県民局長メッセージ(淡路県民局藤原祥隆)

更新日:2023年2月1日

ここから本文です。

令和5年1月16日(1月第2報)県民局長メッセージ(淡路県民局 藤原祥隆)

令和5年1月16日

 今年もこの季節が巡ってきました。阪神・淡路大震災から28年が経とうとしています。長い年月を経て、あの大災害を経験したことのない人が増え、県庁でも、職員として震災を経験した者は少数派になってきました。若い職員には、震災時には生まれてなかったという者も増えています。

 震災の経験と教訓を風化させず、次なる災害に備えていくためには、私たち経験者がそれを伝えていかなければならないと強く思います。

 私は当時、神戸市中央区の本庁舎で勤務していました。当日はバイクにまたがり、目を疑うような光景の中をとりあえず出勤したものの、事務室は自分の机がどこにあるのかも分からないような状態。執務中に揺れが来ていれば、私自身も無事では済まなかったと想像します。

 断続的に続く余震の中、しばらくの間私が携わったのは、緊急対応としての被災地外からの応援職員や、医療チームなどの活動状況の整理でした。大震災の経験を踏まえて、現在ではこのような応援に関わる仕組みが整えられていますが、当時はバラバラに支援に入って下さる動きを後追いで整理する状態でした。支援の状況の整理は、いわゆる“受援”のための重要な基礎情報であると今となっては理解しています。しかしあの時は、災害現場にも出ず、部屋にこもってFAXから流れてくる情報をひたすらとりまとめていることに、内心忸怩たる思いも抱いていました。

 発災当初は、県の仕事も混乱を極めていました。県内での大地震がそもそも想定外だったのです。その教訓から、現在では行動マニュアルなどが整備されています。ただ、それらを全ての職員がきちんと共有し、諸状況の変化に応じた改良を加えられているか、反省すべき点がないとは言えません。

 同じような体験は二度としたくないというのが切なる願いですが、科学的な分析によると、そう遠くない将来に大きな地震災害が予想されています。被害を最小限に抑え、力強く復興するためには、ひとり一人が生命を守る準備をしておくことが何より大切です。生きていればこそ。そう思います。

 あの朝、聞いたことのない音とともに、寝ている床が抜けるような感覚で目が覚めたこと、夜明け前の暗がりの中で、ガラス戸入りの本棚が枕元で揺れていたことを覚えています。私や家族が無事で済んだのは、偶然だったのだと思います。今、私個人としては、背の高い家具類には揺れ止めを施し、飲料水やインスタント食品の備蓄、簡易トイレなど、無理なくできる範囲の備えをしています。震災を経験した皆さんは、その教訓を踏まえ、自ら備えるとともに、是非身近な周りの方にも経験を語り、準備を促していただけたらと思います。

 

令和5年1月16日

 淡路県民局長 藤原 祥隆

兵庫県からの「県民・事業者の皆さんへのお願い」はこちら

お問い合わせ

部署名:淡路県民局 総務企画室

電話:0799-26-2008

FAX:0799-23-1250

Eメール:awajisom@pref.hyogo.lg.jp