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更新日:2019年6月20日

意見書 第65号

骨髄移植ドナーに対する支援の充実を求める意見書

 骨髄移植、さい帯血移植及び末梢血幹細胞移植は、白血病等の難治性血液疾患に対する有効な治療法である。我が国では、公益財団法人日本骨髄バンクが主体となり、骨髄等の提供を広く国民に呼びかける骨髄バンク事業が実施されている。ドナー登録者数は平成29年4月末時点で47万人を超え、患者とのHLA適合率は9割を超えているが、移植を受けられる患者は6割未満にとどまっている。
 これは、ドナー又は患者の健康上の理由のほか、骨髄等の提供に伴う通院や入院等のためのドナー休暇制度の導入が企業等で進んでいないことなども原因とされている。 
 また、骨髄バンク事業では、骨髄等の提供に際しての検査や入院等に伴う交通費、医療費等が不要であり、万一、健康障害が生じた場合であっても日本骨髄バンクによる団体傷害保険が適用されるなど、ドナーに対する負担軽減についてさまざまな取組が行われているが、ドナーが検査や入院等で休業した場合の補償については、現在も行われていない。
 救うことができる命を失うようなことにならないためにも、ドナーが安心して骨髄等を提供できる仕組を整備するなどの支援を行うことが早急に求められる。
 よって、国におかれては、骨髄移植等の一層の推進を図るため、ドナーに対する支援の充実に関し、下記事項に取り組まれるよう強く要望する。
                                記
1 企業等におけるドナー休暇制度導入を促進するための優遇措置や休業補償制度の創設など、具体的な支援策を講ずること。
2 事業主向けに策定した労働時間等見直しガイドラインの中で、ドナー休暇制度を明示するなど、企業等の取組を促進するための方策を講ずること。 
3 がんや骨髄移植に関する正しい知識を得られるよう、若年層へのがん教育並びに国民への啓発をさらに推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成29年6月9日

 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 内閣官房長官              様
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 経済産業大臣

兵庫県議会議長 藤田 孝夫 

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