請願 第50号
平成29年12月11日配付
健康福祉常任委員会付託
福祉職場の職員の大幅増員と賃金の改善の実現を求める意見書提出の件
- 受理番号 第50号
- 受理年月日 平成29年12月4日
- 紹介議員 入江 次郎 丸尾 牧
- 請願の要旨
子供・高齢者・障害者を支える福祉職場では、職員の定着が難しく、募集をしても必要な人材が確保できない深刻な状況が続いている。そのため、保育所や特別養護老人ホームに入れない待機児・待機者の解消が求められているにも関わらず、職員が集まらず、定員まで子供や高齢者を受入られない施設も生まれている。
福祉職場の職員の平均賃金は、全産業平均に比べて約10万円も低い水準である。同時に、人手が足りないことから法定の休憩・休暇が取りづらく、時間外に行わざるを得ない事務作業や持ち帰り残業などが蔓延している。国の制度に基づく社会福祉事業で、このような危機的な事態が広がっており、一刻も早い改善が必要である。
改善を求める声を受けて、政府は2017年度より追加の処遇改善を行うとしている。しかし、保育所等に新たな役職を設定する処遇改善策では、役職者への手当等に限定されてしまう可能性がある。また、高齢者介護・障害者福祉の事業所の職員に対する月額1万円の引き上げも、要請されている抜本的な改善につながる額からはほど遠く、相談員や調理職員などの介護職以外の職員は支給の対象になっていない。
さらに、現場の人手不足の解消につながる職員配置基準の改善などの職員増員策が一切盛り込まれておらず、極めて不十分な内容である。
命と生活を守る福祉労働には継続性と専門性が求められる。希望を持って働き続けられる賃金・労働条件の実現は、利用者・住民の福祉の向上と表裏一体の課題である。そして、その改善や打開策に、利用料への反映や新たな利用者の負担を持ち込んでは本末転倒である。
国庫負担を抜本的に増やし、国の責任で職員の大幅な増員と賃金の引き上げが実現できるよう、下記事項を内容とする意見書を国に提出するよう要望する。
記
- 福祉職場の職員配置基準を抜本的に改善し、完全週休2日制の実施や法律で定められた休憩・休暇が取得できるように職員を大幅に増やすこと。
- 実質賃金の改善につながる予算組みを図り、全産業平均との月額10万円の賃金格差を解消すること。
- 保育園の退職手当共済制度への公費助成を廃止せず、維持・拡充すること。併せて、全ての福祉で働く職員の退職手当共済制度の整備を行うこと。