請願 第59号
平成30年2月28日配付
健康福祉常任委員会付託
県の制度で中学校3年生まで子供の医療費無料化を実施することを求める件
- 受理番号 第59号
- 受理年月日 平成30年2月21日
- 紹介議員 きだ 結
- 請願の要旨
子育ての大きな不安の一つに、子供の病気がある。子供は病気にかかりやすく、抵抗力が弱いため重症化することも多く、成長期にある子供の病気の早期発見・早期治療を支えるために、医療費の心配をなくすことは、大きな支援になる。
今、子育て世代は、長期不況による若年層の経済的困難の中でも、子供たちの笑顔に励まされながら、仕事や子育てに懸命に取り組んでいる。しかし、「女性の貧困」「子供の貧困」が深刻な社会問題となり、年収200万円以下の「ワーキングプア」が、1,100万人のうち女性が7割を占めており、女性は自立や社会参加することができない状況に追い込まれている。特に子育て世代やシングルマザーの多くは、大変な経済的困難を抱えている。非正規雇用の増大や賃下げによる収入減と消費税8%への増税、社会保障の負担増と給付減、さらには子ども手当の廃止と児童手当の削減、年少扶養控除廃止による住民税引き上げなど、幾重もの経済的負担が子育て世代を直撃して、「せめて子供の医療費だけは無料にしてほしい。」「安心して子育てしたい。」と切実な声を上げている。
全国的には、中学校卒業まで医療費を無料にする自治体も多くなってきている。県内でも、自治体の努力もあって、現在、実施予定も含め、36市町にまで広がってきた。しかしながら、政令都市である神戸市など、まだ中学校3年生まで実施していない自治体もあり、自治体間格差が生じている。「1回800円というが、受診する科が違ったり、薬が院外処方だと負担が大きい。」「同じ兵庫県に住んでいるのに、どうしてこんなに大きく違うの。全県で無料にしてほしい。」の要求は切実である。どこに生まれ、どこに住んでも、子供は等しく大切に育てられるべきである。
兵庫県は、人口減少率が第2位という深刻な実態である。県の制度で子供の医療費が中学校3年生まで無料になれば、子育て世代が安心して兵庫県で暮らすことができるようになる。人口減少にも歯止めが掛かる。実施している市町は、その分の費用で更なる子育て支援政策を拡充することにつながる。県民の暮らしを守り、豊かにするという自治体の役割を果たすためにも、県の厚い支援が一層強く求められる。
よって、下記事項を実施するよう要望する。
記
- 県においても通院・入院ともに子供の医療費を中学校3年生まで無料にすること。