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更新日:2019年6月20日

意見書 第62号

白タク行為の容認を旨とした規制改革の自粛を求める意見書

 少子高齢化社会が急速に進展する中、タクシー事業は、地域公共交通の一つとして、ドア・ツー・ドアの安全・安心で快適・便利な個別輸送機関としての機能に加え、多様化する利用者のニーズに対応し、スマートフォンによる配車サービスの普及促進、ユニバーサルデザインタクシーや観光タクシーの充実、地元自治体等の要望を踏まえた乗り合いタクシーの展開を行うなど、地域住民や交通弱者のための移動手段として大きな役割を果たしている。
 しかしながら、昨今、シェアリングエコノミーの成長を促すという名目のもと、インターネットを利用した「ライドシェア」と称する「白タク」行為の容認を求める動きが出ている。「ライドシェア」については、先の国会の審議において、道路運送法に抵触するタクシー類似行為(白タク行為)に該当するとの指摘とともに、その事業主体が、運行管理や車両整備等について責任を負わず、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保や利用者の保護等の観点から大きな問題がある旨の指摘がなされており、「ライドシェア」の容認に向けた規制緩和については極めて慎重な検討が必要とされている。
 また、道路運送法、道路交通法、労働基準法等のさまざまな法令を遵守し、安全確保のためのコストを掛け、国民に安全・安心な輸送サービスを提供するタクシー事業の根幹を揺るがすとともに、議員立法により平成25年11月に改正された特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法の意義を損なうものである。
 よって、国におかれては、下記事項について適切に講じられるよう強く要望する。
                                記
1 一部地域での交通弱者への配慮をしつつも、「ライドシェア」と称する白タク行為の容認を旨とした規制改革を自粛すること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成29年6月9日

 衆議院議長 
 参議院議長 
 内閣総理大臣
 内閣官房長官              様
 総務大臣     
 国土交通大臣
 内閣府特命担当大臣(規制改革)


兵庫県議会議長 藤田 孝夫

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